やりすぎた“チャリティー消費”には毒が出る「半農半X」 ビジネスコンサルタントと、農業と……(2/3 ページ)

» 2011年03月07日 08時00分 公開
[荒木亨二,Business Media 誠]
誠ブログ

寄付付き商品が流行しているが

 ここ数年、寄付付き商品が1つのトレンドとなっている。何かを購入すれば、売り上げの一部がチャリティーに回されるという商品・売り方だ。ファッションから食品といったモノ系から、旅行やエステといったサービス系消費まで、ムーブメントは実に多くの分野に広がっている。

 「チャリティー=善行」という購買行動は、奥ゆかしい日本人の消費者心理をくすぐる。「どうせ同じものを買うなら、恵まれない国に寄付できる方が自分もうれしい」という発想である。ビジネスモデルとしては非常に優れており、世の中の商品がすべてそうなれば、もっと大きな効果が期待できる。

 しかし、ブームになってしまったことで寄付付き商品の価値は棄損し始めている。雨後のタケノコのごとく多くの企業が飛び付いたため、チャリティーの目的に疑問を感じる企業が目立つ。

 こうした商品が出始めた当初は、買った商品と支援先に明確な関連があり、この“つながり”こそが企業と消費者を結ぶコミュニケーションツールとして機能していた。

 ところがブーム化に伴い、関連性がまったく想像できないチャリティー商品が出始めたあたりから、様相がおかしくなってきた。エステを受けたら植林活動に寄付されるなど、無理やりな感じの商品が増えた。本当に寄付されているのか? 自分の払った金額が支援になっているのか? この道筋を明確に示さないことには、企業のイメージアップ戦略はやがて行き詰まることは明白だ。

 今の時代、寄付付き商品を販売すれば効果的なメディアフックとなり、安い費用でPRが期待できる……。しかしながら、安易に手を出せば、パブリシティーには毒が出る。やりすぎた企業が続出している……。

 効果的なチャリティー消費の成功事例としては「ボルヴィック」と「イオン」、2つのケースを挙げることができる。発想が地道かつ斬新であり、やりすぎていないところに好感が持てる。