好調な経済指標や中東情勢の落ち着きから買われ、大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年03月04日 09時01分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10586.02 △ 93.64

<TOPIX>948.69 △ 5.82

<NYダウ>12258.20 △ 191.40

<NASDAQ>2798.74 △ 50.67

<NY為替>82.44 △ 0.58

好調な経済指標や中東情勢の落ち着きから買われ、大幅高

 朝方発表された新規失業保険申請件数が予想以上に減少したことや中東情勢が一段落となって原油や金の価格が落ち着いたこと、小売り売上高も予想を上回ったことなどから買い先行となりました。ECB(欧州中央銀行)理事会で金利の据え置きが決まったことで、米国での金融緩和の「出口」も先のことだと見られたこと、また、午前中に発表されたISM(米サプライマネジメント協会)非製造業景況感指数が予想を上回ったことなどから買い急ぐ動きとなって大幅高となりました。

 週末に雇用統計の発表を控えているのですが、好調な経済指標の発表が相次いだことから楽観的な見方となり、加えて原油高などを受けてインフレ懸念が強まり金融緩和の「出口」が取り沙汰されていたものもやはり少し先になりそうだとの見方もあり、買い急ぐ動きとなったものと思います。インフレ懸念=金利上昇(引き締め)懸念と景気回復度合いの兼ね合いを見ながらの展開が続くのでしょうが、着実に米国景気は回復していることには違いなさそうです。

 個別にはキャタピラーが大幅高、GE(ゼネラル・エレクトリック)やアルコアも堅調と景気敏感株を中心にほぼ全面高となり、引き続き新型高機能携帯端末が話題となっているアップルが高く、インテルやIBMといったハイテク銘柄も軒並み堅調となりました。2月の既存店売上高が前年同月比15.3%増と大幅に伸びたサックスが大幅高、メーシーズも堅調となりましたが、販売実績が予想に達しなかったターゲットやギャップは軟調となりました。金先物価格が下落となったことやインフレ懸念が落ち着いたことからパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングは安く、バンク・オブ・アメリカが大幅高、JPモルガン・チェースが堅調と金融株は軒並み堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や前日の大幅下落の反動から買い先行となり、値持ちの良い展開となりました。引けを意識した時間帯には値持ちの良さから買戻しを急ぐ動きもあり、指数は押し上げられる場面もありました。物色対象もしぼり切れないのですが、持高調整の売り買いが中心となっており、売り急ぐ場面もなく堅調となりました。米国の経済指標も堅調なものが多く、足元の業績が好調なものが多いだけに売り難い面もあったものと思います。

 米国市場が大幅高となったことや円安に振れたことから買い先行となりそうです。週末の米雇用統計の発表を控えて上値では手仕舞い売りもあるのでしょうが、ユーロや1ユーロ=115円台になったことなども好感されるものと思われます。持高調整の売りに押されていたユーロ圏に強いハイテク銘柄などの買い戻し、買い直しも期待され、世界的な景気拡大、回復を見直すように景気敏感銘柄を中心に堅調となりそうです。

 昨日の反発で10500円水準での底堅さ、10500円〜600円水準が下値の節目と確認されたのではないかと思われます。今度は再度上値の節目である10800円〜900円水準を目指すことになるのでしょう。その水準を抜けて来るには米国で景気回復が確認され、景気拡大へと進むことが見えて円高懸念が薄れる必要があり、逆にリビアの騒乱が拡大、本格的に原油供給が止まるようなことになれば下値の節目を割り込むことになるのでしょう。

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