早稲田大学商学部卒業、旅行会社の営業(添乗員兼)に始まり、リサーチ会社、シンクタンク、広告会社、ネットベンチャー、システム開発会社などを経験。2001年、(有)シャープマインド設立。現在、「マインドリーディング」というコンセプトの元、マーケティングと心理学の融合に取り組んでいる。また、熊本大学大学院(修士課程)にて、「インストラクショナルデザイン」を研究中。
女性ファッション雑誌に対する消費者行動は、「1.自分で買って読む人」「2.自分では買わず、美容院などで読む人、書店で立ち読みする人」「3.そもそもまったく読まない人」に大きく分けることができます。
しかし、「1の自分で買って読む人=購読者」「2と3の両方を含む人=非購読者」という購読者・非購読者に2分して、それぞれの消費行動の特徴を見ると、大きな違いがあることが最新の調査(参照リンク)で分かっています。特に興味深いのは次のような事実です。
わざわざ自腹でファッション誌を買うくらいですから、「消費が活発なのは当たり前でしょ!」と言えば確かにそうなのですが、調査結果としてきっちり数字で示せたことが大きい。
インターネットメディアの隆盛によって、相対的な紙メディアの価値低下が顕著ですが、少なくとも女性ファッション誌については、その価値が見直されるべきなことは明らかです。
なぜなら、女性誌読者、とりわけ購読者は自社商品をたくさん買ってくれる可能性が高い、企業にとってはありがたいお客さんであり、そしてまた、トレンドをけん引するトレンドセッター、オピニオンリーダーです。そうした人に効率的にリーチできるのが女性ファッション誌と言えるからです。
さて、女性誌の購読者と非購読者にこれほどまでに大きな差が開いたのは、おそらくこの10年ほどのことだと思います。経年比較ができないので推測になりますが、1つは「ネットの浸透が両者の差を広げたのではないか」ということ。
ネットが「誰でもメディア」になることにより、「紙メディアをわざわざ買わなくても、ネットで十分だ」と割り切る人が増えました(これは女性誌だけでなく、新聞含めあらゆる紙メディアに起きていますが)。
一方、「周囲に差を付けられる価値のある編集された情報はネットではなく、まだまだ紙でしか得られない」と考える、本当の意味で情報感度の高い人が女性誌を購入し続けている(ですから、多面的な情報収集・消費活動で忙しい購読者は、ネットばかりやってる時間はないため、非購読者よりネット 利用時間が短いのでしょう)。
以上のことから、女性誌を買う人、買わない人でその消費性向の格差が近年ますます広がっているのではないかと思うのです。
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