下がれば上がり、上がれば下がると言うことで米国株高や昨日の大幅下落の反動から堅調となりました。外国人も株数ベースでは売り越しと伝えられたのですが、金額ベースは買い越しとなり、寄付きから買い先行となりました。昨日の大幅下落の反動もあり、売り急がなければならない理由もなく買い戻しを交えながら堅調となりました。中東情勢が懸念されていますが、実際に原油供給が止まったわけでもなく、本日も先物の仕掛け的な売り買い、目先の需給に振らされました。
今週の相場の動きは「上がれば下がり下がれば上がる」となり毎日上に下に大騒ぎした割には相変わらず方向感のない展開となっています。先物のまとまった売り買いに振り回されている感じで、相変わらず目先の値動きを見ながら右往左往する向きも多いということなのだと思います。いつもこのコラムでも述べているのですが、本来「投資」と言うことを考えるのであれば、やはり常に大きな流れを掴んでおく必要があると思います。
中東情勢の緊迫化で原油価格が上昇、インフレ懸念が強まって株が売られると言われていますが、中東情勢が緊迫化しなくても新興国ではインフレ懸念が出ていたわけですし、原油価格もじりじりと上昇していたものが中東での騒乱、特に産油国のリビアでの騒乱拡大が懸念されて一気に上昇したものと思います。実際に原油の供給が不足したと言うことではなく今のところあくまでも「懸念」と言う段階であり、少し騒ぎすぎるのではないかと思います。
もちろん、先を読んで行動しなければならないのですが、それであれば、「インフレ」が昂進することは既に予測されていたことであり、時期は早まったものの原油価格の100ドル乗せは先回りして考えていなければならなかったということでしょう。原油価格が100ドルを超えると、どのようなことが起こるのか、「オイルマネー」の行方はどうなるのか、を既に先読みしていなければならないと言うことなのだと思います。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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