急落後の買戻しも続き堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年03月01日 08時43分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10624.09△97.33

<TOPIX>951.27△9.34

<NYダウ>12226.34△95.89

<NASDAQ>2782.27△1.22

<NY為替>81.77△0.10

中東情勢の一段落や急落後の買戻しも続き堅調な展開

 朝方発表された個人消費支出は予想には届かなかったものの、7カ月連続で前月比でプラスとなり、シカゴ購買部協会景気指数も改善が見られるなど、引き続き消費の回復が見られることや週末のヘッジ売りの買い戻しなどから買い先行となりました。中東情勢に対する懸念も一段落となり、原油価格も落ち着いていたのですが、朝方の買いが一巡となると戻り売りに押される場面もありました。最後は逆に値ごろ感からの買いや買い戻しも入ったのですが、主要な指標の発表を控えていることや月末と言うことで手仕舞い売りもあったものと思います。

 月末・月初と言うことで景況感を示す指標などの発表も多く、主要な発表を控えて動き難いということなのかもしれません。ただ、中東情勢に対する過度な懸念は薄れ冷静に現時点での影響などを考えている感じです。足元の景況感は決して悪いものでもなく、原油供給への懸念などが強まることがなければ、堅調な地合いは続くものと思います。先週の下落幅が大きかった分、下向きの動きに対して行き過ぎの調整が行われているのでしょう。

 個別には投資判断の引き下げのあったアマゾン・ドット・コムが軟調、足元のPC出荷量が軟調で業績予想を下回る可能性が示唆されてインテルが軟調となりました。それでもアップルやグーグルは堅調となり、相場の下支えとなりました。原油価格は上げ一服となったもののエクソン・モービルやシェブロンは高く、金先物価格は堅調でパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングは高く、景況感も良いことからアルコアやキャタピラー、GE(ゼネラル・エレクトリック)など景気敏感銘柄が高く、ウォルマートやホーム・デポなど商品関連銘柄も堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は先週末の米国市場が堅調となり、外国人も買い越しと伝えられたのですが売り先行となりました。ただ、底堅さも確認され、後場になってから買戻しを急ぐ動きもあって堅調となりました。売られすぎの修正と言う面もあり、先週大きく売られた銘柄がしっかりと戻ったという感じです。まだ、今期業績の上振れを織り込んでいるとから来期業績に期待すると言うよりは単に持高調整の中での買い戻しが多かったということなのだと思います。

 米国市場が底堅い堅調な展開となったことや為替が比較的落ち着いていることなどから、引き続き売られ過ぎの修正なども見られるものと思います。ただ、目先的に今度は戻りすぎた分の修正なども見られ、指数の上値はある程度限定されてしまいそうです。昨日まで相場の中心となっていた持高調整の売り買いが月が替わっても続くのかどうかも注目され、昨日後場のように買い直し、買戻しが見られれば目先筋も乗り易いところでもあり、上げ幅を広げることになりそうです。逆に、先週のように持高調整の売りが嵩むようであれば、中東情勢の懸念も残ることから冴えない展開となるのでしょう。

 10500円〜600円水準での底堅さが確認されつつあります。ますます10500円水準での底堅さが見られるものと思われますが、一気に上値追いとなるには米国の経済指標の好転、それに伴う円高懸念の払拭、中東情勢の懸念が払拭される必要がありそうです。それまでは徐々に下値を固めながら10800円〜900円水準の節目までの戻りを試すことになりそうです。

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