中小企業に聞く、今年は採用予定がありますか

» 2011年03月01日 08時00分 公開
[Business Media 誠]

 厚生労働省の発表によると、2010年の全国平均有効求人倍率は0.52倍で、前年(0.47倍)を0.05ポイント上回った(参照リンク)。また大阪の有効求人倍率も前年比0.01ポイント上昇の0.52倍となったが、中小企業の採用はどのような見通しになっているのだろうか。

 大阪府に拠点を置く中小企業に今年の予定を聞いたところ「採用予定がある」と答えたのは、昨年(18.0%)より4.4ポイント増加の22.4%であることが、大阪市信用金庫の調査で分かった。採用予定企業の割合が増加するのは2年連続。業種別に見ると「運輸業」(27.4%)、「サービス業」(27.3%)で多かったが、逆に「建設業」(14.0%)で少なかった。

採用予定の有無(出典:大阪市信用金庫)

 「採用予定がある」と答えた企業は、採用するのは主に「新卒者」それとも「即戦力」なのだろうか。「新卒者を採用」という企業は17.2%で、昨年に比べると1.3ポイントの減少。「新卒者以外の即戦力を採用」が82.9%と、中小企業では今年も経験者などの中途採用が中心であることに変わりはないようだ。

採用予定がない理由

 「採用予定がある」と答えた企業に、その理由を聞いたところ「欠員の補充」(34.5%)が最も多かった。このほか「業容拡大を目指した増員」(26.3%)、「従来の人手不足の緩和」(22.1%)、「新分野進出やレベルアップを目指した優秀な人材の確保」(17.1%)と続いた。昨年の調査結果と比べると「欠員の補充」が2.4ポイント、「人手不足緩和」が2.3ポイント、「業容拡大」が1.8ポイントそれぞれ増加しているのに対し、「人材確保」は6.5ポイント減少した。

 逆に「採用予定はない」という企業に、その理由を尋ねると「人手は適正なので」(77.4%)がトップ。次いで「人手は必要だが採用できない」(12.2%)、「人手は過剰なので」(10.4%)と続いた。昨年に比べると「人手は過剰」が5.9ポイント減少し、「人手は必要だが採用できない」が3.6ポイント増加した。「全体としては人手の過剰感は弱まっているとみられるが、人手が必要になっても採用できない企業が増えている」(大阪市信用金庫)

採用しない理由(出典:大阪市信用金庫)

 聞き取りまたは郵送による調査で、大阪府に拠点を置く中小企業1042社が回答した。調査時期は2011年2月中旬。

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