好調な経済指標や好決算に反応して堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年02月28日 08時36分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10526.76△74.05

<TOPIX>941.93△7.71

<NYダウ>12130.45△61.95

<NASDAQ>2781.05△43.15

<NY為替>81.67▼0.22

原油価格の落ち着きを受けて、好調な経済指標や好決算に反応して堅調

 朝方発表されたGDP(国内総生産)改定値は速報値から下方修正となりましたが、原油価格が落ち着いた動きとなり、好調な決算を示す企業が多いことから、堅調に始まりました。消費者態度指数が予想を上回って上昇となったことから個人消費の改善が期待されて買われました。原油の増産に中東諸国が応じ、原油供給への懸念が薄れたことや株式市場は大きな下落となって調整が進んでいたことから週末の買い戻しも入り、堅調となりました。

 中東や北アフリカの騒乱の拡大懸念は依然として根強いものの、産油国の増産報道などから原油の供給も落ち着いており、今後も騒乱拡大懸念は残るものの一段落となって来るのではないかと思います。まだまだ混乱は続くのでしょうが週末の間に一段落となってくれば、株価の調整は進んだとして目先的な底入れ感も出て、好調な業績、景気の回復を改めて織り込む動きとなって来るのだと思います。

 個別には前日の引け後に予想を上回る決算を発表してアプライド・マテリアル(AMAT)が堅調、連れてインテルも堅調となりました。米軍からの空中給油機の受注を発表したボーイングも高く、キャタピラーなど景気敏感株が高く、アップルやIBMなどハイテク銘柄も高くなりました。予想を上回る四半期決算を発表したJCペニーは買い先行となったものの利益確定売りに押されましたが、GAPやメーシーズなど個人消費関連銘柄は総じて高くなりました。JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカも売り一巡感もあって堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は大きく下落した週の週末とあって、手仕舞いの買戻しも入り堅調となりました。売り飽き気分があったことや持高調整の売りも一段落となった感もあり、買戻しが入ると指数を押し上げる動きとなりました。ただ、外国人は引き続き売り越しと伝えられ、積極的な買いも見られず、上値も限定的となりました。中東情勢緊迫化の影響もある程度織り込まれたものと思われ、底堅さを確認して買戻しも入ったものと思います。

 週末の米国市場が堅調となったことや原油供給懸念が薄れたこともあり、底堅さも見られるものと思います。底堅さを確認して上値を試す動きとなるのか、上値の重さを確認して下値を試すと言うような目先の需給に振らされることになりそうですが、総じて方向感はなく、狭い範囲での動きとなりそうです。円高を嫌気してハイテク銘柄など輸出関連銘柄の上値は重そうで、商社株など原油高にも関わらず売られた銘柄などが目先の売り一巡感から反発となってくるのではないかと思います。

 10500円〜600円水準での底堅さを確認する動きが続きそうです。円高懸念が薄れ、中東や北アフリカの騒乱が一段落となれば、10600円水準を抜けるのでしょうし、逆に円高懸念が強まり、騒乱が中東産油国に広がるようであれば再度10500円を割り込むことになるのでしょう。ただ、目先の需給要因に振らされている面もあり、持ち高調整の売り一巡感から底入れ感が出て来るかもしれません。

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