底堅いながらも冴えない展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年02月25日 08時48分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10452.71▼126.39

<TOPIX>934.22▼12.66

<NYダウ>12068.50▼37.28

<NASDAQ>2737.90△14.91

<NY為替>81.89▼0.88

好調な経済指標や決算動向も原油の供給不安は根強く底堅いながらも冴えない展開

 朝方発表された新規失業保険申請件数は予想を下回り、雇用の改善が見られ、耐久財受注も予想を上回り、新築住宅販売も予想は下回ったものの減少スピードは鈍り、足元の経済情勢は良好であることが確認されました。前日の引け後などに発表された決算も好調なものが多いのですが、原油高の影響を懸念する見方が根強く、好材料に反応しきれないと言う感じでした。リビアのカダフィ大佐が銃撃されたとの噂が流れて原油価格が下落、ダウ平均は戻りきれませんでしたが、ナスダック指数は買戻しを急ぐ動きもあり堅調となりました。

 引き続き原油価格高騰の景気への影響が取り沙汰されて上値の重い展開となっています。それでもまだ信用収縮的な動きとなっているということでもなく、足元の景気動向が堅調ということで売り叩き難くなって来ていると思います。もちろん、中東の騒乱が続き原油の供給に滞りが出るようであればさらに懸念が強まるのでしょうが、原油先物の動きを見ても投機的な買いで価格を押し上げている面も強く、行き過ぎの修正も期待されるのだと思います。

 個別には原油価格は上げ一服となり、エクソン・モービルやシェブロンは軟調、金先物価格は堅調でしたがニューモント・マイニングは大幅下落、パブリック・ゴールドも軟調となりました。一方で足元の景気は好調ということや売られ過ぎの反動からアルコアやキャタピラー、GE(ゼネラル・エレクトリック)などの景気敏感株、インテルやアップル、IBMといったハイテク銘柄は堅調となりました。予想を上回る決算を発表したターゲットが堅調、特にクレジットカード事業の返済状況が改善したことが評価されました。引け後の決算でアプライドマテリアル(AMAT)が予想を上回る決算を発表、堅調な引けとなった後の時間外取引でも買われて一段高となっています。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株安や円高を受けて売り先行となり、底堅さも見られたのですが持高調整の売りも嵩んで大幅安となりました。外国人も売り越し基調であり「円キャリー取引」の解消の動き、持高調整の売りも多いのだと思います。中東情勢の緊迫化、原油の供給の落ち込みなども懸念され、リスク資産からの逃避の動きも出て売り急ぐことになり、小型銘柄なども売りが売りを呼ぶような格好で大きな下落となるものも見られました。

 米国市場もようやく落ち着いて来たことから、日本市場もそろそろ落ち着いて底堅さも見られるものと思います。為替が円高に振れていることや週末と言うことで、積極的な買いや買戻しを急ぐ動きは期待できそうもありませんが、売り飽き気分からの底堅さも見られるものと思います。持高調整の売り買いも一巡となって来るのでしょうし、目先的な過熱感も冷めて来ているので、好調な業績を示している銘柄の押し目買いも見られると思います。

 10500円〜600円水準を割り込みましたが、まだ10400円前後までは許容範囲でそろそろ下げ止まって来るものと思います。昨年暮れのもみ合いの上限が10400円前後であり、ここからは売り難くなって来るのではないかと思います。既に10400円台になってはいるのですが、感覚としては引き続き10500円〜600円水準と10800円〜900円水準でのもみ合いが続いているというイメージで良いと思います。

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