インタビュー
» 2011年02月25日 08時00分 UPDATE

嶋田淑之の「リーダーは眠らない」:ギネス認定! 世界最古の宿が人気である理由――――西山温泉慶雲館52代当主・深澤雄二氏(後編) (1/6)

この度、ギネスブックが「世界最古のホテル・旅館」として認定した西山温泉慶雲館。創業から1300年を経ても、人気を集めていられる秘密はどこにあるのか。第52代当主の深澤雄二さんへのインタビューを中心に、同館のスタッフのみなさんからもお聞きした内容をお伝えする。

[嶋田淑之,Business Media 誠]

嶋田淑之の「リーダーは眠らない」とは?

 技術革新のスピードが上がり、経済のグローバル化も進む中、日夜、自らの組織のために粉骨砕身するリーダーたち。彼らはどんな思いを抱き、どんなことに注目して、事業を運営しているのでしょうか。「リーダーは眠らない」では、さまざまな企業や団体のトップに登場していただき、業界の“今”を語ってもらいます。

 インタビュアーは戦略経営に詳しい嶋田淑之氏。徹底した聞き取りを通して、リーダーの心の内に鋭く迫ります。


 2011年2月に「世界最古のホテル・旅館」としてギネスブックに認定され、「源泉湧出量世界一の温泉宿」としても申請している西山温泉慶雲館(山梨県南巨摩郡早川町)。

 前編では、全国の旅館経営者が最も注目するJTB顧客アンケートで平均95点(2010年)を獲得し、中規模旅館としてはトップクラスとされる同館の魅力の一端を、温泉と食事という面からご紹介した。

 後編では、西暦705年(飛鳥時代)の創業以来、現代に至るまで、長い歴史の風雪を乗り越え、人気旅館として注目を集めている同館の経営について、第52代当主の深澤雄二さんへのインタビューを中心に、同館のスタッフのみなさんからもお聞きした内容をお伝えする。

 →創業1300年! 世界最古の温泉宿に行ってみた――慶雲館52代当主・深澤雄二氏(前編)

ah_kei1.jpg 慶雲館52代当主の深澤雄二さん

友達を呼んで恥ずかしくない宿にしたい

 「705年に開湯してからしばらくは、湯治場として経営していました。近郷の人たちがさまざまな食べ物を持ち寄って、それを分け合いながら病気療養や健康増進のために湯治するという感じですね。いわゆる温泉宿として経営し始めたのは武田信玄のころ(戦国時代)です。

 長い歴史の中では、ずいぶんいろんなことがありました。明治時代には建物が全焼しました。その時は集落の方々がお金を出し合ってくださったお陰で再建することができたのですが、その後の返済に非常に苦労したようで、以後、「借金して商売するな」という家訓ができました。

 でもね、私の代になってすぐ、その家訓を破って銀行融資を受けて、鉄筋コンクリートの温泉旅館にしたんですよ」と深澤さんは笑う。

 家訓を破ることには勇気が要ると思われるが、どんな事情があったのだろうか?

 「私が早稲田大学商学部の学生だったころ、友人たちから『お前の実家は旅館と聞いたが、遊びに行ってもいいか?』と言われたんです。でも、私は『ぜひ来てくれ』とはとても言えなかった。それで、『自分の代になったら、友人たちに誇れる宿にしよう』と決心したのです」

 やがて、この思いが経営革新への原動力となり、現在の慶雲館の成功への礎になる。とはいえ、その道は平坦ではなかったようだ。1982年には台風で道路や橋が流され、1年以上にわたって営業できなかったこともあるという。

 「私の信条は『ダメだと思ってあきらめるのではなく、ダメだと思ってもトライしろ!』です。昨日より今日、今日より明日、負けちゃならん」

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