国内トップギャラリーが集う「G-tokyo2011」の見どころ(1/4 ページ)

» 2011年02月24日 17時37分 公開
[上條桂子,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

エキサイトイズムとは?

「高い美意識と審美眼を持ち、本物を知った30代男性」に向けたライフスタイルのクオリティアップを提案する、インターネットメディアです。アート、デザイン、インテリアといった知的男性の好奇心、美意識に訴えるテーマを中心に情報発信しています。2002年11月スタート。

※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 東京・六本木の森アーツセンターに、国内のトップ15ギャラリーが集結し、エキシビション方式でアートフェアを行う「G-tokyo 2011」が華々しく開催中だ。2月19日、20日の2日間をギャラリーデイズとしてアートフェアを行い、21日〜27日までをエキシビションウィークとして公開。コレクターはもちろん、アートファンも十分に楽しめる展覧会となっている。見どころをいくつか紹介したい。

小山登美夫ギャラリー/菅木志雄個展「連関空」

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 毎回実験的な展示を見せてくれる小山登美夫ギャラリーは、作家・菅木志雄氏による個展「連関空」のインスタレーションだ。菅木志雄氏は「もの派」の作家である。もの派とは、1960年代末頃に火がついた芸術運動で、木や石、紙や鉄などの「もの」を用いて作品を作る。小山氏曰く、「近年世界的にもの派の作家の再評価が高まっており、各国の美術館でももの派の作家の展示が相次いでいる」とのこと。日本でも、直島に、もの派の作家の代表格といえる李禹煥美術館がオープンしたり、気運が高まっているように思える。

アラタニウラノ/加藤泉個展

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 アラタニウラノは、加藤泉氏のダイナミックな彫刻作品を展示。加藤泉氏は、1月末まで箱根彫刻の森美術館で大規模な個展を行っていた作家で、彼が描く胎児のような植物のような不思議な生き物は、一度見たら忘れられない強いインパクトがある。近年は彫刻作品が多い。先般彫刻の森美術館で展示した作品から、G-tokyoのような贅沢なスペースだからこそ展示できる高さ3メートルの巨大な木彫作品を出品した。空間の近くに行くだけで木のいい匂いがしてくる。8体の人(のような生き物)が織り重なる巨大な彫刻は、圧倒的な存在感である。

山本現代/「アナザー・コンストラクション」展

 エドガー・マーティンズの写真作品がカッコよかった。まずは真っ暗な中建物が浮かび上がっているシャープな絵に惹かれ近寄っていくと、あれ? どうやら絵ではなさそうだという思いで絵に近づく、写真のようだけどどうみても写真ではなさそう。絵を描いて写真に撮影したのだろうか……。何度見てもよく分からない。ギャラリーの方に尋ねてみたら、これはどうやら写真らしい。デジタルカメラで撮影されてはいるが、一切加工はしておらず照明と露出だけでこの不思議な幻影のような像を作り出した。また、この写真は軍の施設内部にある建物を撮影されたという、模型を撮影したような人工的な印象はそのせいかと納得。それにしても虚構と現実を揺るがされる写真である。

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