円高となったことなどから売り直されて大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年02月24日 16時17分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10452.71円 ▼126.39円
売買高 25億7885万株
売買代金 1兆7415億7500万円
値上がり銘柄 159銘柄
値下がり銘柄 1454銘柄
騰落レシオ 93.43% ▼9.60%

日経平均

米国株安を受けて売り先行、底堅さも見られたが円高となったことなどから売り直されて大幅下落

 米国株が軟調となったことや為替も円高気味ということで売り先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も大幅売り越しと伝えられたことや円高が進んだことから寄り付きの売りが一巡となった後もじりじりと下げ幅を広げ、節目と見られる10500円を割り込む場面もありました。それでも、10500円を割り込むところからは売り急ぐ動きもなく、買戻しなども見られて底堅く、底堅さを確認して戻り歩調となりました。株式需給に悪化のニュースに敏感に反応する動きも多く見られました。

 後場に入るといつものことながら方向感はなく指数は狭い範囲での動きが続きました。幅広く売り物が出て、業種別に買われている銘柄も、買戻し中心の銀行株やディフェンシブ銘柄としての食品株にとどまり、値下がり銘柄数も東証一部で8割近くになっていたのですが、その割には指数の下げ幅は限定的となりました。ただ、後場になって戻りの鈍さを嫌気するうちに「円キャリー取引」の解消と見られる動きもあり、一段と為替が円高に振れ、見切売りが嵩んで下げ幅拡大となりました。

 小型銘柄は値動きの悪さや目先的な過熱感を嫌気するように見切売りに押されるものが多く、東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均、ジャスダックTOP20指数は揃って大幅安となりました。先物は午前中はまとまった売り買いも散見され指数をだらだらと押し下げ、じりじりと戻す要因となったのですが、午後に入るとまとまった売り買いはほとんど見られず方向感のない展開となりましたが、戻りの鈍さを嫌気、円高を嫌気するように売られ始めると売りが売りを呼ぶようにまとまった売りが出て指数を押し下げました。

 相変わらず中東情勢を気にする動きで冴えない展開となっています。それでも、日経平均は10500円〜600円水準での底堅さを確認する動きとなっており(細かくは割り込んでいますが、10400円前後までは許容範囲)、従来から述べているように下値10500円〜600円、上値は10800円〜900円水準でのもみ合いの中での動きとなっているのだと思います。中東情勢を気にしながらも信用収縮という動きでもなく、まだ景気回復を織り込みながらの上昇相場が続いていると見ても良いと思います。持高調整の売りも多く見られ、持高調整が終わるところ(3月SQ算出から20日あたり)からは来期業績の拡大を織り込むような動きになって来るものと思います。

テクニカル分析

日経平均

 基準線もあっさりと割り込んで今度は雲のサポートを確認する格好となりました。遅行線が日々線を割り込んでしまった格好でここから反発とならないと調整が長引きそうです。RSIはまだ下値余地もあるのですが、ストキャスティックスは底値圏になっており、雲のサポートを確認しながら、遅行線が日々線に絡みながら底堅さは見られるものと思います。

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