3連休前の手仕舞い売りをこなして堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年02月21日 08時39分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10842.80△6.16

<TOPIX>973.60▼0.54

<NYダウ>12391.25△73.11

<NASDAQ>2833.95△2.37

<NY為替>83.13▼0.18

好調な業績を受けて楽観的な見方が強く、3連休前の手仕舞い売りをこなして堅調

 世界的な景気回復を織り込むように堅調な展開となっています。この日は世界で建設機械の販売が1月は大幅に増加したと伝えられたことがきっかけとなり、中東情勢の混乱も原油価格の上昇が収益拡大に結びつくということで石油株の上昇要因となるなど、楽観的な見方が強く、来週から小売り関連企業の四半期決算の発表が本格化する前に買戻しを急ぐ動きもあり総じて堅調となりました。週末の手仕舞い売りや3連休を控えたヘッジ売りに押される場面もありましたが、売り急ぐ動きもなく、最後は値持ちの良さから買戻しを急ぐ動きとなりました。

 楽観的な見方が強く、ダウ平均は2008年6月5日以来2年8カ月ぶり、ナスダック指数は2007年10月31日以来、3年3カ月ぶりの高値となりました。3連休を控えても、中東情勢に不安が見られても、G20を気にすることもなく、逆に買戻しを急ぐ動きもあって堅調な地合いとなっています。買い方の回転も効いているのでしょうが、そろそろ目先的な過熱感を気にする動きも出て来るのだと思います。

 個別には世界で建機販売が好調と伝えられたことを受けてキャタピラーが買われて堅調、原油高を受けてエクソン・モービルやシェブロンなど石油株は高くなりました。金先物価格は5日続伸となり、パブリック・ゴールドは堅調ですがニューモント・マイニングは利益確定売りに押されました。個人消費の回復が期待され、ホーム・デポやウォルマート、コストコ・ホールセールなどは高いのですが、メーシーズは利益確定売りに押されて軟調、ハイテク銘柄もインテルやIBM、HP(ヒューレット・パッカード)は堅調ですがアップルは軟調となり、銀行株もバンク・オブ・アメリカが軟調、JPモルガンチェースは堅調、とまちまちの展開となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末は米国株高にも関わらず、週末の手仕舞い売りが嵩んで売り先行となり、買い戻しも交えて小幅高となりました。ただ、持ち高調整の売り買いが中心となっており、終始方向感に乏しい狭い値幅での動きとなりました。好調な決算を見直すように買われたものが利益確定売りに押され、買われていなかったものは引き続き特に材料のない中で買い戻しが入り堅調となると言う状況でした。

 週末の米国市場は堅調となったものの、中東全域や中国でもデモに対する懸念が強まっていることや北朝鮮での核実験の兆候が見られるなど、いわゆる「地政学リスク」が取り沙汰されて上値の重い展開となりそうです。目先的な過熱感もあり、好決算への反応や水準訂正の動きも一段落となって来るものと思われます。週末のヘッジ売りの買い戻しが一巡となった後にしっかりとした買い手が見られるのかどうかが気になるところです。

 節目と見られる10800円〜900円水準での上値の重さが見られることから、一旦手仕舞い売りに押されることになりそうです。本日は10800円台が中心で底堅い展開となるのでしょうが、上値の重さを嫌気するような展開となり、世界的な政治の混乱が広がる懸念が強まれば目先的に過熱感を冷ますように10500円〜600円水準での底堅さを確認するような展開になるものと思います。

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