コラム
» 2011年02月21日 08時00分 UPDATE

藤田正美の時事日想:中国、要注意だ (1/3)

中国経済の勢いに“黄色信号”が点滅している。2008年のリーマンショックのときは大規模な財政資金の投入で大きな落ち込みはなかったが、今後は中国の「構造的な問題」に悩まされそうだ。

[藤田正美,Business Media 誠]

著者プロフィール:藤田正美

「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”


 中国に対する警戒が必要だ――。

 といっても、軍拡路線に走る中国という意味ではない。中国経済に変調の兆しが見えてきた、ということである。2008年のリーマンショックは大規模な財政資金の投入でさしたる落ち込みもなく乗り切ったが、これから中国の「構造的な問題」が顔を出してくる。

 先日、ある中小企業の経営者がこんなことを言っていた。その会社は日本の市場はもう伸びないから海外に進出するのだという。そこで視察に行った。行った先はインド。中国ではない。「中国はもうリスクが大きい。お客さんのいるところに出なければならないから、インドを見てきた。コストを考えるとむしろ東南アジアのほうがいいかもしれないが」

 中国の問題は、もちろん今は飛ぶ鳥を落とす勢いの経済成長に陰りが見えてくるということである。その背景にあるのは「人口」だ。現在は約13億で世界一、次いでインドが約12億。しかしこれが2050年にはインドが16億で世界一、中国は14億で2位に転落すると試算されている(同時期に米国やフランスの人口は増えるが、日本、ドイツ、ロシアなどは大きく人口を減らす)。

 中国の場合、問題なのは生産年齢人口(15〜64歳)の人口が全人口に占める割合が2010年でピークになったとみられていることだ。中国社会科学院の調査によると、2014年には生産年齢人口が10億人弱となり、それ以降は減少するという。生産年齢人口がピークを過ぎるとどうなるのか。賃金の上昇である。ここ数年というもの中国で労働争議が頻発した。需要と供給のバランスがきつくなってきたために、賃上げを要求するだけのパワーが労働者側に生まれてきたということである。

yd_china.jpg 中国の人口(出典:Google)
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