好調な指標に反応して買戻しを急ぐ展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年02月18日 08時45分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10836.64△28.35

<TOPIX>974.14△6.84

<NYダウ>12318.14△29.97

<NASDAQ>2831.58△6.02

<NY為替>83.31▼0.32

芳しくない指標で手仕舞い売りを急ぎ、好調な指標に反応して買戻しを急ぐ展開

 朝方発表された新規失業保険申請件数が予想を上回って増加、雇用の回復に一服感が見られたことや消費者物価指数(CPI)が予想以上に上昇してインフレ懸念も出たことなどから、利益確定売りに押されて軟調な始まりとなりました。それでもフィラデルフィア連銀が発表した景気指数が2004年1月以来の高水準となったことが好感されて買戻しや買い直しを急ぐ動きもあり堅調となりました。目先的な過熱感や中東情勢が気になることもあり、上値も限られましたが堅調な展開となりました。

 消費者物価指数が予想を上回るなかで中東情勢の緊迫化や新興国でのインフレ懸念などもあり、原油や金の先物価格も上昇、景気回復は期待されるものの、今度はインフレ懸念なども取り沙汰されそうです。QE2と言われる金融緩和策は6月まで継続されるものと思いますが、原油価格などが高止まり、物価の上昇がまだ続くようであれば、今度はそろそろQE2の「その後」が気になることになるのだと思います。

 個別には前日の引け後に発表した売上高見通しが予想を大幅に上回ったエヌビディアが大幅高、連れてインテルやシスコシステムズも堅調となりました。ただ、HP(ヒューレット・パッカード)やアップルは利益確定売りに押されるなどハイテク銘柄はまちまちとなりました。コカ・コーラは49年連続の増配となったことが交換されて買われ、景況感の好転から個人消費関連銘柄も高いものが多く、シアーズは大幅高、ウォルマートやベストバイも堅調となりました。原油価格の上昇を受けてエクソン・モービルなど石油株や堅調、金価格の上昇を素直に好感してニューモント・マイニングなど金鉱株が高く、アルコアは利益確定売りに押されたものの、モンサントも堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高などを受けて堅調となりました。中東問題や新興国のインフレ懸念など懸念材料も徐々に薄れ、足元の好調な業績を見直す動きとなったものと思われます。外国人も買い越し基調と伝えられて利益確定売りに押されるものはあるものの売り急ぐこともなく、総じて堅調となりました。ただ、目先的な過熱感は依然として強く、最後まで買い切れないと言う状況で指数の上げ幅も限定的となりました。

 本日の日本市場は米国株式市場が引き続き堅調となっていることや為替も若干円高気味ながらも落ち着いていることなどから、堅調な展開が期待されます。ただ、目先的なかねつかんが強い週末ということやG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれること、また、中東情勢に不安があることなどから、週末の持ち高を減らすような手仕舞い売りも多く、上値を押さえる要因となりそうです。若干円高気味ということでハイテク銘柄や自動車株などが手仕舞い売りに押され、ここのところ堅調となっていた金融株や不動産株など内需銘柄にも手仕舞い売りが嵩みそうです。

 日経平均は10800円〜900円水準の節目での上値の重さを確認するような展開となっています。引き続き本日もこの水準での上値の重さを確認する動きとなり、上値の重さを嫌気するような週末の手仕舞い売りに押される場面もあるのかもしれません。少し先を見ても、目先的な過熱感も強いことから、10500円〜600円の節目と10800円〜900円水準でのもみ合いとなるのではないかと思います。11000円を意識する水準では抜ければ抜けたで達成感が、抜けれなければ抜けないで失望感も出ていったんは上値が重くなるものと思います。

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