日本人がフィリピンで起業するということ――ー格安オンライン英会話のレアジョブ社長に聞く世界一周サムライバックパッカープロジェクト(2/2 ページ)

» 2011年02月16日 08時00分 公開
[太田英基,世界一周サムライバックパッカープロジェクト]
世界一周サムライバックパッカープロジェクト
前のページへ 1|2       

社内英語公用語化の動きについてどう思うか

――楽天やユニクロの社内英語公用語化の動きをどう思われますか?

加藤 社内英語公用語化は、世界で戦う上で避けられないと考えています。「社内の公用語は英語です」と日本企業が言い切れないがために、海外での人材獲得が進まず、新興市場などでの競争力が落ちてしまうためです(参照リンク)

 僕は英会話学習の費用を安くすることには、日本社会において社会的意義があると信じています。英語力による競争戦略の束縛を外すお手伝いをしたいです。

――世界の今後について、注目している動向はありますか?

加藤 フラット化がどこまで進むのか、興味があります。

――今後の予定と計画は?

加藤 レアジョブのミッションは、良質な英会話を安価に提供し、日本人の英語力の底上げを図ることです。これは松下幸之助さんの水道哲学――水道の水のように価格を押さえた物資を大量に供給し、すべての人がサービスを容易に享受できるようにすること――を下敷きにしています。

 中期的なビジョンは、レアジョブを質、量ともに世界一の英会話サービスにするということ。これを今後5年で実現します。長期的には、世界中に埋もれている潜在能力をSkypeを使って発掘したいと考えています。

 レアジョブではフィリピン人の英語力を掘り起こしましたが、日本の主婦など、能力があるのに埋もれてしまっている人たちが世界中に多くいると思うのです。これを改善して、能力がある人が活躍できる世の中を作っていきたいと考えています。

――日本の若者にメッセージを。

加藤 僕は大学生の時、「インターンをやりたいので、柔道部を辞めさせてください」と言ったら、「そんなに急ぐことはないだろう。柔道をやり遂げた後にやったらどうだ?」と先輩に引きとめられました。

 でも、僕はインターンを選んだ。その選択は正解だったと思っています。柔道を続けることもすばらしい選択だったと思うのですが、自分が「やってみたい」と感じたことはやるべきだと思うのです。「やろうかな、どうしようかな」と迷ったのなら、やった方がいい。

 好きなことは、経験の中から見つかっていくもの。自分が動いてみるしか、見つける方法はないのです。一度自分の好きなことが見つかれば、情熱を傾けることができます。すると、人生が勝手に動き始めて、自分を面白いところへ連れていってくれるようになります。

 だから、最初はまず、自分の好きなことを見つける。この努力だけは惜しまないでください。「つまらないかも」と思っても、最初の一歩を踏み出すことが肝心です。

レアジョブの社員たち

フィリピン初の世界一を実現したい

 フィリピンのレアジョブオフィスでお会いした加藤さんは、本当にイキイキとしていた。そして、加藤さんが次のように言ったことが印象に残っている。

 「フィリピンには世界一の企業が無いんです。だから僕はレアジョブでフィリピン初の世界一を実現したいとも思っています」

 加藤さんからすると、何気なく出たひと言だったかもしれないのだが、「日本人である加藤さんが、本当にフィリピンの側に立っているんだな」と感じた。会話の中からも、加藤さんはレアジョブで働くフィリピン人のスタッフや英語講師を大切にしている印象が強くあり、「フィリピン人の雇用を創出し、守っていく」という強い責任感がそこにはあった。

関連キーワード

英語学習 | 英会話 | 英語 | 語学 | 留学 | オンライン


前のページへ 1|2       

Copyright© SAMURAI BACKPACKER PROJECT Inc. All Rights Reserved.