コラム
» 2011年02月15日 08時00分 UPDATE

松田雅央の時事日想:なぜハンブルクは環境政策に熱心なのか (1/5)

環境への取り組みが評価され、EUから「2011年EU環境首都」に選ばれたドイツ・ハンブルク。ドイツの北部に位置するハンブルクは、なぜ環境政策に力を入れているのか。その背景には商工会議所などの存在が欠かせないようだ。

[松田雅央,Business Media 誠]

 ハンブルク市は、2003年3月からハンブルク商工会議所をまとめ役として地元の環境優良企業と「環境パートナーシップ(Umweltpartnerschaft)」の協定を結んでいる。

 このパートナーシップの目的は以下の通りだ。

  • ハンブルク市の環境向上
  • 持続可能な省資源型経済成長の実現
  • エコ的な技術開発によるハンブルク経済の最適化

 市と地元企業が連携し経済発展と環境保全の両立を目指すこのパートナーシップは、ハンブルクが2011年EU環境首都に選ばれた際にも高く評価された。ここでは、システムの要となる商工会議所の役割を通してハンブルク環境パートナーシップを読み解いてみたい。

 →低炭素社会を目指す、ハンブルクの挑戦を紹介しよう(関連記事)

yd_matuda1.jpg ハンブルク港の再開発地区。好調な経済を背景に、ハンブルク港湾地区の大規模再開発が進められている

商工会議所の役割

 地域の商工業者が加入する商工会議所は商工業の発展を目的として、経営支援、政策活動(国や自治体への提言・要望など)、技術の普及、貿易振興、さらに地域活性化などに取り組んでいる。16世紀末、フランスで設立されたのが世界最初の商工会議所とされ、日本では1878年(明治11年)、東京、大阪、神戸に初めて設立された。

 日本における商工会議所の成り立ちは鎌倉時代の「座」や江戸時代の「株仲間」といった日本古来の制度にさかのぼり、明治に入ってから欧米諸国の制度を取り入れて発展した経緯がある。商工会議所の誕生は、明治維新後、日本経済が資本主義に移行していく時代の要請と言え、また不平等条約改正の取り組みの中で「日本には商工業の世論を結集する代表機関がなく、世論を論拠とした明治政府の主張は虚構にすぎない」との反論を諸外国から受けたことが発端となっている(参照:東京商工会議所の公式Webサイト)。

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