消費関連指標の好転やエジプト騒乱鎮静化を好感して堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年02月14日 08時35分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10605.65▼12.18

<TOPIX>946.63△2.61

<NYダウ>12273.26△43.97

<NASDAQ>2809.44△18.99

<NY為替>83.42△1.06

消費関連指標の好転やエジプト騒乱鎮静化を好感して堅調

 エジプト騒乱が一段落となったことや2月の消費者態度指数が前月比で改善、昨年6月以来8カ月ぶりの高水準となったことが好感されて堅調となりました。地政学リスクの新興国や米国経済への影響が懸念されていたのですが、エジプト騒乱の鎮静化でひとまず、「地政学リスク」やインフレ懸念、スタグフレーション懸念は遠のきました。また、回復が確認されつつある個人消費関連の指標が好調と、個人消費の回復がさらに確認されたことから景気回復を確信するものとして買い急ぐ場面もありました。

 目先的な過熱感があることや週末の手仕舞い売りヘッジ売りもあって上値も限定的となりましたが、懸念材料が一つずつ解決していく格好で堅調となっています。引き続き米国での金利上昇懸念や中国の金融引き締めからの経済への影響などは取りざたされるのでしょうが、景気回復が腰折れとなることもなく、世界的な景気拡大を織り込むように堅調な地合いが続くものと思います。

 個別には景気回復が確認されつつあると言うことで、週末の買い戻しもあり、キャタピラーやアルコア、GE(ゼネラル・エレクトリック)が高く、ホーム・デポやウォルマートも堅調、アップルなど景気敏感株、個人消費関連銘柄が堅調となりました。エジプト騒乱も一段落となったことからJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株も高く、目標株価引き上げが伝えられたマイクロン・テクノロジーも高くなりました。携帯電話事業で提携すると発表したマイクロソフトは軟調、ノキアは大幅安となり、前日引け後の決算発表で利益見通しを引き下げたクラフト・フーズは大幅安となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場はオプションSQ(特別清算指数)に絡む売りや3連休を控えた週末と言うことで手仕舞い売りが嵩み軟調となりました。持高調整の買戻しも見られ指数も堅調となる場面もありましたが、市場参加者が少なく、積極的に持ち高を増やすような買いも見られず、持高調整の売り買いが中心となって、指数は方向感のない展開となりました。好決算にも反応しきれず、目先の需給に振らされているということのようです。

 先週末の米国市場が堅調となったこと、また、エジプト騒乱も一段落となった感もあることから、堅調な展開が期待されます。ただ、エジプト以外への騒乱の広がりやエジプトでの新政府の行方など不透明な部分もあり、積極的に買い上がると言うよりは円安を好感して、好決算を発表しながら売られた銘柄などの買い直し、買い戻しが中心となりそうです。中国の利上げも織り込まれたものとして特に材料視されることもなく、中国関連銘柄などにも見直し買いが入ると思われます。

 日経平均は10500円〜600円水準を固めて上値を試す動きも見られそうです。ただ、完全に抜けきったと言うには10700円台半ばを抜けて10800円水準を意識するところまでいかないと次の節目と見られる10800円〜900円水準を目指すと言うよりは、まだまだ10500円〜600円水準での底値固めが続いているということになるのだと思います。

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