利益確定売りも多くまちまちの展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年02月10日 08時36分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10617.83▼18.15

<TOPIX>944.02△0.02

<NYダウ>12239.89△6.74

<NASDAQ>2789.07▼7.98

<NY為替>82.36△0.02

引き続き好調な決算も見られるが利益確定売りも多くまちまちの展開

 前日までダウ平均は7日続伸となっていたこともあり、特に注目される経済指標の発表も見られないなかで売り先行となりました。FRB(連邦準備理事会)議長の議会での証言を控えて手仕舞いを急ぐ動きもあったものと思います。一方で続々と発表される決算も景気回復を確認するかのように好調な決算となるものが多く、幅広い業種で好決算に反応して買われるものが見られ、指数を下支えする展開となりました。FRB議長の議会証言も好感する向きも多く、引き続き景気の回復を確認しながらの押し目買いなどで底堅い展開となりました。

 中国などの新興国の経済拡大の恩恵から業績が回復しているような企業も多いのですが、中国の利上げを特に嫌気する動きもなく、米国内の雇用や個人消費の回復、企業業績の回復を織り込むように楽観的な見方も多くなっているようです。商品市況なども投機的な資金が引き上げられるような急落もなく、実需の下支えのなかで落ち着いた動きとなっており、長期金利の上昇は懸念されるもののインフレ懸念、スタグフレーション懸念などもなく、センチメントは良好となっています。

 個別には前日の引け後に発表した決算が予想を上回ったウォルト・ディズニーが大幅高、売上高が予想を上回ったコカ・コーラや好決算と増配を発表したスリーエムも高くなりました。朝方決算の発表があったポロ・ラルフ・ローレンも予想を上回る決算を発表、大幅高となりました。連れてというわけでもないのでしょうが、消費関連銘柄も買われ、ホーム・デポやウォルマートなどが堅調となりました。一方、目先的な過熱感から利益確定売りに押されるものも多く、原油先物価格が軟調となったことで、エクソン・モービルなど石油株が売られ、金先物価格は堅調でしたが、ニューモント・マイニングなど金鉱株も軟調、キャタピラーやアルコア、インテルやIBMなども手仕舞い売りに押されました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や好調な決算発表を好感する動きから買い先行となりました。ただ、中国の利上げの影響などが気になり手仕舞い売りを急ぐものも見られ、指数も軟調となりました。下値を売り急ぐものは少なく好決算を発表した銘柄は堅調となっており指数も大きく下落となることはありませんでした。

 米国株式市場はまちまちとなりましたが、為替が対ユーロで円安となったことなどから、堅調な展開が期待されます。決算発表も出揃って、好調な決算ながらも先行きに対する懸念から買い切れていない銘柄、あるいは一旦売られてしまった銘柄などを見直す動きとなるのだと思います。ただ、本日は3連休を控えた週末と言うことで積極的には手掛け難く、上値も限定的となりそうです。また、オプションSQ(特別清算指数)算出もあり、目先筋の手仕舞いの売り買いなどで指数が振らされる場面もありそうです。

 寄り付き前には機械受注統計の発表もあり、予想(+5.0%)を大きく下回れば見切り売りに押され、大きく上回って買い先行となれば、利益確定売りに押されて指数も上値が重いというような展開になりそうです。いずれにしても昨日の相場で上値を目指す動きにならなかったということはまだ10500円〜600円水準でのもみ合いが続くということになりそうです。10600円台半ばを過ぎると利益確定売りも嵩むのでしょうし、10600円を割り込むと手仕舞い売りが嵩むということなのだと思います。

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