中国利上げの影響を懸念して冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2011年02月09日 18時48分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10617.83円 ▼18.15円
売買高 22億7671万株
売買代金 1兆5896億6500万円
値上がり銘柄 778銘柄
値下がり銘柄 723銘柄
騰落レシオ 120.31% ▼8.60%

日経平均

米国株高や好決算を好感して買い先行となるも中国利上げの影響を懸念して冴えない展開

 米国株が中国利上げの影響を問題視せず堅調となったことや為替も落ち着いていたことに加え、好調な決算を発表する企業も多いことなどから買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系9社ベース)も株数は売り越しながら金額では買い越しと売り急がなければならない材料でもなく、堅調な展開となりました。それでも中国株式市場を気にする向きも多く、中国関連銘柄などを中心に利益確定売りもあって軟調なもの、大きく売られるものもあり、指数も一時軟調となるなど冴えない展開となりました。

 後場も前場に引き続き中国関連銘柄や芳しくない決算を発表した銘柄などを売り急ぐ動きもあって上値の重い展開が続きました。それでもこれまで好決算を発表しながらも出尽くし感から売られていた銘柄などを買い直す動きや好決算銘柄を買い上がる動きもあり底堅さも見られ、いつものことながら指数は小動きとなりました。景気回復を確認しつつもまだまだ市場参加者も増えず、市場全体の水準訂正というところまではいかないようです。

 小型銘柄も朝方は堅調なものが多かったのですが、上値の重さや中国利上げの影響を懸念する動きから手仕舞い売りも嵩んで軟調なものが多くなりました。東証マザーズ指数や日経ジャスダック平均は軟調、ジャスダックTOP20は大幅安となりました。先物はまとまった売り買いも少なく、寄り付きの買いが一巡となった後は方向感のない展開となりました。株価指数に連れて上値を切り下げるような動きも見られましたが、先物主導と言う場面は見られませんでした。

 米国では中国の利上げの影響はそれほど取りざたされることもなく、為替も反応は鈍かったのですが、決算が芳しくないものが見られたこともあり、株式市場では「中国関連銘柄」を売る動きも見られました。3連休を控えたオプションSQ(特別清算指数)算出の前日と言うこともあって、手仕舞い売りなども多かったのだと思います。主力自動車株の業績上方修正や中国の利上げで相場の流れも変わり、指数も節目を抜けるかと期待されましたが、やはりまだ抜け切れないということのようです。米国の景気回復から円安とならないと指数は次の節目まで上昇できないのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

 高値で「包み足」となり、ここでいったん天井となる可能性もありそうです。ただ、まだ節目と見られる10500円水準を抜け切れていないだけということであり、ここから大きく下がると言うよりは目先的な過熱感を冷ますように10500円〜600円水準を固めると言うことなのだと思います。

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