エジプト情勢の落ち着きを好感、M&Aに関する話題も豊富で堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年02月08日 08時54分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10592.04△48.52

<TOPIX>940.43△5.07

<NYダウ>12161.63△69.48

<NASDAQ>2783.99△14.69

<NY為替>82.32△0.14

エジプト情勢の落ち着きを好感、M&Aに関する話題も豊富で堅調

 エジプト騒乱の拡大もなく落ち着きを見せてきたことや大型のM&A(合併・買収)に関する話題も多く、リスク許容度の上昇、金余りが意識されて株式市場は総じて堅調となりました。週末のヘッジ売りの買戻しも見られ総じて堅調となっています。先週末の雇用統計でもけっして雇用に不安が見られるわけでもなく、個人消費に回復も見られることから、徐々に景気回復を織り込む格好となっているものと思います。

 引け後に発表された12月の消費者信用残高を見ても、クレジットなどでの買い物も上昇傾向が続き個人消費の回復が見られるように、先週発表された経済指標の好転や足元の好調な決算を株価に織り込む段階となっているものと思います。商品相場の下落も債券の下落も株式市場への資金流入という捉え方で、決して株式相場に悲観的な見方となっておらず、センチメントはかなり上向きと見ても良いと思います。今後も景気回復を織り込みながら利益確定売りをこなしながら堅調な地合いが続くものと思います。

 個別には有力ニュースサイトを買収すると発表したAOLが財務負担を嫌気して軟調となるなど買収する側は売られ、買収される側が買われる展開となりました。大手証券が注目株リストに加えたと報じられたHP(ヒューレット・パッカード)が高く、アップルやIBM、インテルなどハイテク銘柄は総じて堅調、債務不履行となった住宅ローン業務を別会社に分離すると発表したバンク・オブ・アメリカが高く、連れてJPモルガン・チェースなど金融株は軒並み堅調、長期金利の上昇で利ざや拡大も期待されたものと思います。景気回復を織り込むように景気敏感銘柄とされるハイテク銘柄に加え、GE(ゼネラル・エレクトリック)やアルコア、キャタピラーなども堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は先週末の米国株高などを受けて堅調となりました。外国人も買い越しと伝えられたことや好決算を発表する銘柄も多く、10600円台半ばまでの上昇となりましたが、さすがに節目を抜けて買い上がるだけの材料もなく、中国の利上げ懸念もあって上値も限定的となりました。その一方で買われ過ぎた銘柄には利益確定売りを急ぐ動きもあるのですが、好決算を発表しながら出尽くし感で売られた銘柄の買い直しなども見られ総じて堅調となりました。

 米国市場が堅調となったことや引き続き好決算発表が見られることから、本日の日本市場も堅調な展開が期待されます。ただ、引き続き中国の利上げ懸念が見られることや目先的な過熱感が依然として強いことから、利益確定売りをこなしながらも上値は重くなるのではないかと思います。一方で好決算を発表しながらも材料出尽くしとばかりに手仕舞い売りに押されていた銘柄などの買い直しも見られ、堅調な地合いは続くと思われます。好決算銘柄を個別に物色することになりそうです。

 日経平均は引き続き10500円〜600円水準での底堅さを確認する段階ではないかと思います。好決算の発表で全体的な水準訂正となるのは、足元の業績の落ち込みが見られず、好決算を発表したものがさらに業績の上振れが期待される。つまり懸念材料が払拭するまでは上値の重い展開ではないかと思います。中国で利上げが行われるなどすればあく抜け感から好業績を背景に次の節目である10800円から900円水準を目指すことになるのではないかと思います。

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