チロルチョコVS. ブラックサンダー、“ポケ菓子”市場の勝者は?コンビニ、ヒット商品の理由(1/2 ページ)

» 2011年02月08日 08時00分 公開
[笠井清志,Business Media 誠]

「コンビニ、ヒット商品の理由」とは?:

限られた売り場を最大限に活用して、面積当たりの売り上げを高めているコンビニ。約100種類の新商品が毎週発売されているが、売れない商品は発売から2週間ほどで撤去されてしまう。厳しい審判をくぐり抜け、コンビニでヒットしているのはどんな商品なのか。一般には「おいしい商品」「お得な商品」「テレビCMが放映されている商品」が売れると思われがちだが、実は重要なのは「店頭展開」。このコラムでは、コンビニのヒット商品を展開方法の観点から分析していく。


 コンビニで最近増えてきたお菓子が「駄菓子・ポケ菓子」である。ポケ菓子(ポケットサイズ菓子)とは1個当たりの価格が20〜50円の低単価のお菓子のこと。

 コンビニでは限られた売り場面積(平均100平方メートル)の中で、効率良く利益をあげられるように、レイアウトや品ぞろえを工夫している。そんな中、比較的陳列の自由がきくポケ菓子はいつごろからコンビニに出現し、売り場面積を増やしてきたのだろうか?

せんべいなどの米菓と売り上げシェアは同じ

 あるコンビニチェーンの売上データ(2010年)によると、お菓子分類の中でのポケ菓子の構成比は約5%を占めている。これは、せんべいなどの米菓とほぼ同じくらいの売り上げシェアになるので、その重要性は理解できるだろう。1個20円ほどの安い価格でも、数多く販売することによって売り上げを稼ぎ出しているのである。

 また、ポケ菓子は売り場に展開するに当たって必要な面積が小さくてもいいので、売り場面積当たりの効率も良い。レジ横にチロルチョコの箱を置いている光景を読者の方々も目にしたことがあるだろうが、既存のお菓子売り場以外に商品を展開できることも、ポケ菓子が伸びてきた要因の1つだ。

 では、具体的にどんなポケ菓子が売れているのか。商品の種類が多いカテゴリーなので、売れ筋ベスト5までの商品に注目して数値を検証してみた(下図)。

あるコンビニチェーンにおける、2006年と2010年の売れ筋ベスト5までの商品の販売数量シェア比較

 2006年と2010年の売れ筋ベスト5までの商品の販売数量シェア比較を行ったところ、「チロルチョコとブラックサンダー(有楽製菓)系の2巨頭で90%以上の売り上げを占めている」「近年、ブラックサンダー系の売り上げが伸びている」ということが分かった。販売数の伸び率を調べると、ブラックサンダー系はこの4年間で250%以上も伸びている。

チロルチョコ(左)、ブラックサンダー(右)

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