コラム
» 2011年02月07日 08時00分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:優秀な中高年、見逃していませんか?――人材の最適配分が必要 (1/2)

天下りのような慣習は官だけでなく、大企業などでも見られるというちきりんさん。一般的にそうした人は非難されがちだが、優秀な人も多いので、うまく活用できるような仕組みを作るべきと主張します。

[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2009年11月7日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 民主党が公約に掲げてはいたものの、骨抜きになりつつある「天下り」禁止問題。官僚の場合は本人の人件費うんぬんより、国民の税金である予算が配分されるという点が問題なのでしょうが、この「人の移動の仕組み」自体は、実は民間でも大企業を中心に広く存在する慣行です。

 たいていの場合、社長は複数の役員と仕事をしながら次第に自分の後継候補を絞り込み、最終的に1人の新社長を選びます。するとその後、ほかの役員は次々と子会社や関連会社の役員などとして転出します。そして新社長は、出ていくこれらの元ライバルの人たちを、非常に丁寧、丁重に遇します。

 出て行く人たちにとって転出先の新しい仕事は面白くないかもしれないですが、立派な社長室や役員室、専用車、秘書、それなりの報酬が約束されます。高級官僚の“わたり”に当たるような玉突き人事もよくある話で、繰り返し退職金を受け取れたりもします。こうして「処遇だけ」は完璧に整えて、出て行っていただくのです。

 つまり、官も民も大組織はみんな同じことをやっているわけで、この仕組みにはある種の合理性が存在しています。例えば、主だった役員が一斉に転出することにより、一気に経営陣を若返らせることが可能となるといったことです。

 また、日本だけではなく、米国でGEがジャック・ウェルチ氏の後継CEOを選んだ時にも、数人の後継候補の中からジェフリー・イメルト氏がGEのCEOとなり、ほかの競争相手たちは他社の社長として転職していきました。日本同様、後継レースに敗れた人は自分と競い合っていた人の部下になるのではなく、社外に出ていくわけです。

 ただし米国の場合は「経営者の転職市場」が存在するので、みんな自分で次の職を探します。一方、日本にはそういう市場がないので、民間でも官庁でも次の就職を“組織としてアレンジ”せざるを得ません。「市場がないから、組織がアレンジ」というのは、まさに日本的ですよね。

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