利益確定売りをこなして堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年02月04日 08時31分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10431.36▼26.00

<TOPIX>927.57▼2.07

<NYダウ>12062.26△20.29

<NASDAQ>2753.88△4.32

<NY為替>81.63△0.08

個人消費や雇用、景況感に改善が見られ利益確定売りをこなして堅調

 週末の雇用統計が注目される中で朝方発表された新規失業保険申請件数は予想を下回り、雇用の改善が見られ、小売り各社の発表した1月の売上も好調となったのですが、エジプト騒乱の拡大懸念から利益確定売りが嵩んで軟調となる場面もありました。ただ、午前中に発表されたISM(米サプライマネジメント協会)非製造業景況感指数が予想を上回ったことから米国景気の回復を織り込むように小売り株や景気敏感株を中心に買い直されて堅調となりました。

 ユーロ圏で利上げが見送られたことの影響は少ないと思いますが、エジプト騒乱拡大懸念は残るものの、好調な決算を発表するものも多く、雇用や個人消費の回復が見られると売り難さも出て来るものと思います。企業業績の回復期待も根強いことから利益確定売りをしっかりとこなして買いも続いています。それでもまだ、FRB(連邦準備理事会)議長が失業率の回復に言及しているように、金融緩和の出口を探るような段階でもなく、引き続き景気回復を織り込みながら堅調な展開が続きそうです。

 個別には1月の既存店売上高が市場予想に反して増加したギャップが大幅高、同様に既存店売上高が予想を上回ったコストコ・ホールセールやノードストローム、メーシーズなどは堅調、売上は増加したものの予想に届かなかったサックスは売られました。米国内での景気回復期待が高まり、GE(ゼネラル・エレクトリック)やインテル、アルコアなど景気敏感株が高く、フォード・モーターなども利益確定売り一巡から買われました。金価格が上昇したことからパブリック・ゴールドやニューモント・マイニングも高くなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株も動きのないなかで、個別に決算発表に反応するものの、指数は小動きとなりました。為替も動きはなく、決算発表以外の手掛かりに乏しい中で積極的な売り買いは決算発表銘柄に限られ、エジプト騒乱拡大懸念もあり、積極的に買い上がることもなく、指数に動きは見られなかったものと思います。米雇用統計など経済指標や決算発表をしっかりと見極めたいと言うことで、全体としての動きは乏しくなったのでしょう。

 米国市場が堅調となったことで、日本市場も底堅い堅調な展開が期待されます。決算発表が本格化するなかで、好調な決算を発表するものも多く、米国での主要指標の発表を控えた週末ということで手仕舞い売りも嵩むのでしょうが底堅さは見られるものと思います。ユーロが軟調となったことで、輸出企業の一角は売り先行となる可能性もありそうですが、対米ドルでは落ち着いた動きとなっており、市場全体への影響は限定的となりそうです。商品相場の上昇から世界的にインフレ、スタグフレーション懸念も強まっていますが、商品相場が堅調ということで非鉄株や商社株などは物色されるのではないかと思います。

 日経平均は依然として下値10200円〜300円水準、上値10500円〜600円の水準でのもみ合いが続いていると見ても良いと思います。好調な決算と為替の落ち着きが見られれば10500円〜600円を抜けると思っていたのですが、エジプト問題や中国利上げ懸念があるうちはまだ上値も重そうです。日米の好調な決算発表は続き、米国雇用不安が薄れており、米雇用統計の発表で米国景気の回復が確認され、エジプト騒乱の拡大懸念が薄れれば10500円〜600円水準を抜けて次の節目である10800円〜900円を目指すことになるのでしょう。

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