コラム
» 2011年02月04日 08時00分 UPDATE

吉田典史の時事日想:社長の番犬“ポチ”に、苦しめられていませんか (1/3)

1年間に数多くのベンチャー企業が誕生しているが、その多くが名もなき中小企業のままで終わってしまう。その原因はどこにあるのだろうか。ひょっとしたらワンマン社長のそばにいる“ポチ”が、吠えているからかもしれない。

[吉田典史,Business Media 誠]

著者プロフィール:吉田典史(よしだ・のりふみ)

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2005年よりフリー。主に、経営、経済分野で取材・執筆・編集を続ける。雑誌では『人事マネジメント』(ビジネスパブリッシング社)や『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、インターネットではNBオンライン(日経BP社)やダイヤモンドオンライン(ダイヤモンド社)で執筆中。このほか日本マンパワーや専門学校で文章指導の講師を務める。

著書に『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)など。ブログ「吉田典史の編集部」、Twitterアカウント:@katigumi


 「3人のポチがいた」「いずれも、ダメダメ君だった」――。

 2008年、都内に本社を構える人材コンサルティング会社を取材したとき、30代のコンサルタントたちがこう話していた。“ポチ”とは、クライアント企業の20代後半〜30代前半の男性社員たちを指す。彼らは、そこの社長の言いなりになるのだそうだ。

 クライアントとは、会社や家庭から清掃などの仕事を請け負うベンチャー企業。創業6年目で正社員は18人、非正社員は160人ほどだった。

 多くのベンチャー企業は「売上高10億円の壁」を乗り越えられないが、この会社も4億円前後で伸び悩んでいた(関連記事)。社長は個人事業主からスタートし、3億円前後までは順調だった。10人ほどの社員を引き連れて、軽々と突き進んだ。だが、社員数がそれ以上増えると、業績が伸びなくなった。

 そこで営業力のあるマネージャーの社員を採用した。だが、機会あるごとに社長とぶつかり、次々と辞めてしまった。社長は仕切らないと、気がすまない性分。営業マネージャーの仕事を取り上げてしまうのだという。最近は、あるマネージャーが20代の社員を数人引き連れて辞めていくこともあった。

 業績は伸び悩み、資金が回っていかなくなり、給与の遅配も起きた。社長はこのような事態に陥り、ようやくこの人材コンサルティング会社に支援を依頼した。そしてコンサルタントらが社員たちにヒアリングをすると、次のような状況が見られた。

  • 創業時のメンバーが次々に辞めて、創業経営者が1人になっていた。
  • 社員の定着率が悪い。特に20代で1年以内に辞めていく社員が目立つ。
  • 社員が報告や連絡、相談をさほどすることなく、バラバラの行動をとる。
  • 社員間で仕事のスキルやノウハウの共有ができていない。それに危機感を感じ、統率する人がいない。
  • 30代半ばまでの社員の仕事レベルが、同業他社の中堅企業と比べると、3ランクは低い。
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