好決算に反応するものもあって底堅く、方向感なく小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年02月03日 16時28分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場に方向感がなく、為替も大きな動きが見られないこともあり、方向感のない展開となりました。前日の大幅高の反動から上値も重く、上値の重さが見られても値持ちの良い展開を見せていたのですが、後場に入ってからは上値の重さを嫌気するように、決算発表への反応も鈍く、下げ幅を広げるような展開になりました。エジプト騒乱もいっこうに収束する気配も見られないことも手仕舞い売りを急がせたものと思います。

 決算動向は決して悪いものではないのですが、反応は芳しいものではありません。好決算にしっかりと反応するものも見られるのですが、好決算は織り込まれているものとするような反応は多いのですが、芳しくない決算には敏感に反応してしまうようです。毎年、「今年は昨年と違うだろう」と思いながら毎年同じように1月の後半や2月は芳しくない月となっているようです。「節分天井、彼岸底」と言うことも言われますが、実際に3月の決算などを控えて、新年の新規資金流入一巡後の調整となってしまうのでしょう。

 季節的な周期性と言うのも案外、企業活動の周期や国家予算の問題などから侮れないものも多いと思います。そうした季節要因があるものだから、例えば「エジプト騒乱」などにも敏感に反応するのでしょうし、米経済指標などへの反応も敏感になることも多いのだと思います。手仕舞い売りや持高調整の売りが出易い季節に悪材料が出れば大きな反応になり、新規資金の流入し易い時期に好材料が出れば大きく上昇することになるのでしょう。

 そうして、季節的な要因で材料が加速され、逆に緩和されるものだから、更に「季節性」が取りざたされることになるのでしょう。昨日も決算発表に対する反応の話をしましたが、同じように季節性や単に周期的な要素で上昇も下落も加速されるケースがあると言うことなのだと思います。また、投資判断の変更なども直接の要因と言うよりは加速させる要因であり、加速要因が出て大きく売られたものは行き過ぎからの反発も期待されるのでしょうし、買われ過ぎたものは逆に反落となることも多いのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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