実質的に、各メディアの後追い記事は、日経朝刊をPCの横に置き、必要なエッセンスをあらかじめ打ち込んでおき、NEC、レノボ双方の広報担当者、あるいは両社のキーマンとの連絡、確認作業のみに没頭せざるを得なくなる。これが後追いの実態であり、先に筆者が触れたPC業界関係者やアナリストらが抱いた率直な感想との温度差の根源なのだ。
複数の関係者によれば「今回のJVの主導権は完全にレノボであり、NECは引っ張られた格好」(某大手メディア)。こうしたトーンは、JVが報じられた初日にはほとんど読者に知らされなかった。
日経、その他の主要メディアの経済ニュースは国内企業、あるいは国内経済の話がどうしても主流となる。NECというPC国内シェア1位の企業であっても、世界ではもはや10位にも入らない企業のネタが大見出しで展開されるというのは、筆者はいまだに強烈な違和感を持つ。日本型の経済ニュースが、世界のメディア界の中でガラパゴス化する兆しがあると指摘したら言い過ぎだろうか。
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