日本人経営者は、フィリピンの格安マンツーマン語学学校をどう運営しているか世界一周サムライバックパッカープロジェクト(5/5 ページ)

» 2011年02月02日 08時00分 公開
[太田英基,世界一周サムライバックパッカープロジェクト]
世界一周サムライバックパッカープロジェクト
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今後のフィリピン英語留学はどうなる?

――フィリピンはこれからどうなると思われますか。

井坂 僕もすごく知りたいテーマです。フィリピンは特に政治によって大きく左右されるのではないかと思っています。そういう意味で、新大統領(ベニグノ・アキノ3世)に期待したいところです。個人的に評価している点としては、若い人口が多いということです。若い人口が多いということは、経済が基本的に成長していくということです。フィリピンの人口統計を見てもらえれば分かりますが、きれいなピラミッド型になっています。

 人口は9200万人もいますし、平均年齢は21歳。数十年後には日本の人口を越えます。英語が話せる人も多いし、マニラの大学生などにインタビューしたことがあったのですが、優秀な人も多いです。僕はフィリピンの将来は、比較的ポジティブに見ています。フィリピン人を使った人的なサービス産業の需要が増えていくと思います。日本の少子高齢化の問題を解決する1つの方法として、フィリピンの人的リソースは活用するべきだと思います。ただし、冒頭でも言ったように政治力が決め手かと思われます。

――フィリピンの英語留学はこれからどうなると思われますか。

井坂 間違いなくマーケットは伸びると確信しています。その理由は3つあります。

 1つ目はマンツーマンレッスンのニーズがあり、市場が顕著に伸びているからです。フィリピン留学のユニークな特徴は、授業形態がマンツーマンレッスンであるということ。欧米留学はほぼすべてがグループレッスンです。

 時代はコミュニケーション力を求めています。日本人が苦手とする英語でのコミュニケーション力を上げる方法として、グループレッスンとマンツーマンレッスンのどちらが最適な学習システムかと聞かれれば、誰もがマンツーマンレッスンと答えるでしょう。日本国内でもグループレッスンのマーケットが減少しているのに対して、マンツーマンレッスンのマーケットは堅調です。時代はマンツーマンレッスンを求めつつあります。

 2つ目は留学費用の安さと費用対効果の高さです。フィリピン留学のマーケットポジションは次の図で右上に表されるように、「低価格」で「マンツーマン」という一番、良いポジショニングにあります。

英語留学のポジショニング

 日本の景気悪化や世界的な経済危機が進み、失業率が向上している中、日本の世帯所得はこの10年で約15%ダウン。61%の世帯が平均以下になり、特に20〜30代の所得低下は顕著になってきています。このような状態では、若い学生は費用対効果にシビアになります。欧米留学は費用が高い上、1クラス10〜20人もいるグループレッスン。このような現状、学生側の視点としては、「質の高い授業を安い留学費用で学びたい」というニーズが出てくるのは至極真っ当だと思います。

 3つ目は外部環境の変化と韓国を中心としたアジアの国で、フィリピン留学の知名度が高まっているということです。

 日本は少子高齢化が進むため、マーケットは減少します。そのため、日本企業はアジアを中心とした海外に出ていきます。その時、英語は必ず必要になります。ここ最近のトレンドとして、小学校から英語の勉強が始まり、ユニクロや楽天の英語の社内公用語の動きから考えても、英語習得の流れはまた起こってくると思います。不景気もなおさらこの流れを後押ししそうです。

 さらに今、アジアの格安航空会社(LCC)が続々と日本に来ています。フィリピンには、関西空港からLCCのセブパシフィック航空が就航しています。関西空港からフィリピンまで片道3時間30分で行けますし、航空運賃も安い。プロモーション価格は片道7999円です。羽田からは、片道5000円のプロモーション価格でメディアに大きく取り上げられたマレーシアのLCC、エアアジア航空が2010年12月から就航します。

 エアアジアで羽田空港からクアラルンプール(マレーシア)まで行き、クアラルンプールからクラーク国際空港(フィリピン)あるいはマニラ国際空港(フィリピン)までエアアジアで到着することができます。留学で大きな費用のウェイトを占める航空運賃が劇的に下がることは、フィリピン留学する人にとってとても大きなメリットになります。

 お隣の留学先進国の韓国では、フィリピン留学はすでにメジャーになり、当たり前になってきています。気になるのは、すでにロシア、台湾、中国が、フィリピン留学に少しずつ注目し始めていることです。日本でもここ最近注目を浴び始めてきましたが、先に日本を出し抜いて、彼らが英語をフィリピンで学ぶ時代が来るかもしれません。これに日本人として危機感を持っています。ぜひ、この格安マンツーマン語学留学の合理性を、早く日本の方に気付いていただきたいと願っています。CNE1のミッションとしてフィリピン留学の認知向上に邁進(まいしん)していくつもりです。

――日本の若者へメッセージをお願いします。

井坂 思いきって海外に出て見ませんか!

 一定期間、少なくとも1〜2年は海外に滞在してみてほしい。これからの若い人は、特に世界を知るべきです。数年間の海外生活を体験することで、世界への視野が格段に広がります。その時に、心がけてほしいのは、多くの国々を訪問して、多くの人々と会って、その国の文化や歴史、食事などさまざまな異文化体験を積んでほしいということです。

 本やインターネットなどでも情報や知識は習得できますが、人が本当に物事を理解するためには、自身の体験や経験からでないと、本当に腹の底から理解できません。特に若い人には世界中の人々とコミュニケーションをしてほしい。そしてその中で、さまざまな意見、考えがあることを知ってほしい。海外に滞在する中で、良いことも悪いことも、辛いことも楽しいこともすべて勉強だと思って学んでほしい。その経験は後になって自分の人生を豊かにしていく宝物になります。

 海外に住むことによって日本という国をよりよく理解するようになります。それは、さらに自分自身を理解する上でも、とても役に立ちます。若い人こそ世界に出るべきだと思います。

 世界へ出ましょう! そして世界を知りましょう! 待っています。

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