週末の大幅下落の反動や個人消費の回復を好感して堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年02月01日 08時35分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10237.92▼122.42

<TOPIX>910.08▼9.61

<NYダウ>11891.93△68.23

<NASDAQ>2700.08△13.19

<NY為替>82.04▼0.08

週末の大幅下落の反動や個人消費の回復を好感して堅調

 先週末の大幅下落の反動や朝方発表された大手石油株の決算が好調となったこと、昨年12月の個人消費支出(PCE)が予想を上回ったことから買い先行となりました。投資判断の引き上げが伝えられた銘柄が素直に買われるなど、エジプト問題の広がりは懸念されるものの、足元の景気回復を織り込むように底堅い堅調な展開となりました。それでもエジプトの騒乱がアラブ世界に広がることへの懸念も根強く、戻り売りに押されて上値も限定的となりました。

 欧州金融不安や中国の金融引き締め懸念が未だくすぶるなかで、新たな火種としてエジプト騒乱のアラブ世界への波及がどうしても気になり、戻りきらないということのようです。石油に絡む問題だけにしっかりと解決するまでは懸念が残るということなのでしょう。景気回復を織り込み、商品相場の上昇もそろそろ気になり始めるところでの原油価格の高騰に繋がるだけに、余計気になってしまうということなのでしょう。ただ、個人消費の回復が見られていることから、基調は強含みと見ても良いと思います。

 個別には好調な決算を発表したエクソン・モービルが高く、原油高もあってシェブロンも堅調となりました。アルコアやキャタピラーなど景気敏感銘柄もエジプト問題の一服感から買われて堅調、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカも騒乱の拡大が見られないことや国内景気の回復を好感して買われました。期待された商品に欠陥が見つかったと発表したインテルは関連費用計上まで発表したことから、いったん売られたものの横ばいまで戻り、IBMやアップルなどハイテク銘柄も総じて堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は週末の米国株が大幅下落となったことや円高となったことから売り先行となり、大幅下落となりました。好調な決算発表が多いことから、下値も限られましたが、中国の利上げ懸念やエジプトの騒乱が拡大する懸念などもあり、目先筋の買戻しや好決算発表銘柄の買戻しは見られるものの、積極的な買い手には乏しいと言うことなのだと思います。外国人も売り越し基調と伝えられたことも、手仕舞い売りを急がせた面もあるものと思います。

 米国市場が反発となったことや為替が落ち着いていること、また、連日の大幅下落の反動から反発が期待されます。決算動向も業績上振れとなるものも多く、過熱感も一服となっており、好決算に素直に反応して来るのではないかと思います。これまで述べて来たように「新興国の生活水準向上」、インフラ整備に絡むもの、また、スマートフォン(高機能携帯電話)関連銘柄などに業績好調なものが多く、材料出尽くしというよりは改めて見直し、来期に対する期待から買われるものもありそうです。ハイテク銘柄や商社株などの反発が期待されます。

 日経平均は節目と見られる10200円〜300円水準での底値固めという感じです。10100円台後半からは売り難く、底堅さも見られ、エジプト問題の広がりがなければ堅調な地合いとなって来るのだと思います。まだ調整不十分と言うことで戻りも鈍く、好決算に反応して買われても上値も限られるのかもしれませんが、とりあえず10200円〜300円水準での底堅さを確認して、10500円〜600円水準の節目を目指すことになるものと思います。

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