氷河期でも入社しやすいというけれど……中小企業ってどんなトコロ?「半農半X」 ビジネスコンサルタントと、農業と……(4/5 ページ)

» 2011年01月27日 10時00分 公開
[荒木亨二,Business Media 誠]
誠ブログ

優れた中小企業を見つけるための方策

Webサイトを仔細(しさい)に読み込む

 志望する業界や気になる業界があるのなら、まずは企業のWebサイトを仔細にチェックすることでおおまかな雰囲気はつかめる。マスコミ情報とは異なり、企業自ら発信する“生の情報”には、多くのヒントが隠されている。深読みすればその企業が目指すべき方向性や戦略なども読み取れるに相違ない。

新聞をよく読む

 ビジネスマンとしては当たり前、就活中の学生も読むべきというのは、今も昔も変わらないスタイル。ここで気をつけたいのは「興味のない記事もすべて目を通す」ということ。気になる記事ばかり読んでも関心は拡がらないばかりか、視野を狭めてしまう。最初は読んでも理解できないことだらけ、分からなければ調べる。調べてまた読む。これを地道に繰り返していくうちに世の中の経済トレンドが見えてくる。ひいては、興味のなかった業界や職種に、バッタリ出会うこともある。

 私は15年間、毎日、主要な新聞を7〜8紙購読している。朝日・日経というクオリティーペーパー2紙だけで済ませてしまうビジネスマンや経営者もいるが、各紙特徴があり、読み比べてみて初めて分かる事実もあるので、私はいわゆる主要紙はすべて目を通すことにしている。かなり徹底しているスタイルだが、ここまでやらないと、不安になってしまうのだ。みんなが2大クオリティペーパーに依存していたなら、考え方が朝日的・日経的になってしまう……。

 私は『アラキレポート』というマーケティングレポートを長年書いている。主要な新聞8紙を読み込めば、自然とこれから流行るテーマ、ライフスタイル、ビジネストレンドなどを早めに把握・分析することができる。“メディアの議題設定機能”もマクロな視点で鮮明に理解できる。このアラキレポートをもとに「経営戦略」「新規ビジネス」「マーケティングプラン」などに落とし込むことで経営者の理論武装を手伝ってきた。

 業務上膨大な新聞を読んでいるのだが、やはり気になる中小企業や伸びるであろう企業は必然的に目に留まるもので、そのたびに研究対象としている。私が数年前から注目しているのは「インストアメディア」「カフェカンパニー」といった“異色のカフェ企業”たち。カフェという親しみやすい“媒体装置”を巧みに利用しながら、外部企業とコラボしたりカフェ以外の事業で収益を上げたりしている。ともにサロン化を目指している点でも、これからの消費シーンにマッチした秀逸な業態であると思う……。

 ……このような感じで、学生も自分なりのスタンスで記事を見つけ、探るのだ。全紙を読むのはさすがに無理だが、少なくとも日経だけは読んでおきたい。情報量が圧倒的に違う。ベタ記事もしっかりチェックすべき。ベタ記事こそ情報の宝の山であり、見逃しやすい。

動く

 実際に見にいける企業であるなら、自分の目で確かめに行く。ダイレクトに社員にアプローチする手だってある。真っ当な手法(=通常の就職ルート)ばかりをたどっていては、道は開けない。真剣な学生なら、きっと相手をしてくれるはずだ。