氷河期でも入社しやすいというけれど……中小企業ってどんなトコロ?「半農半X」 ビジネスコンサルタントと、農業と……(3/5 ページ)

» 2011年01月27日 10時00分 公開
[荒木亨二,Business Media 誠]
誠ブログ

中小企業は仕事を若いうちから任せてもらえる?

 職種が少ないので1人の社員が担当する仕事は多岐に渡ることが多く、中小企業はジェネラリスト社員の養成に向いている組織形態という印象が強い。営業しながらSP(セールスプロモーション)やMD(マーチャンダイズ)を考えたり、経理が人事を兼ねたり、若いうちから仕事を任されたりするのでビジネス力アップへの近道と思われがちである。しかし、企業によってかなり差が激しいので、注意が必要だ。

 「人手が足りないから、ほかの仕事をやらせる」ことと、「社員教育の一環としてチャレンジさせる」では、その後のキャリア形成に大きな差が出る。まずここをしっかり意識した方が良い。

 前者では単なる“使い走り”で終わる可能性が高い。いろいろやってみたが何の専門性も得ることができず、その結果はどうなるだろうか? 転職を考えた時にアピールすべきポイントがなくなってしまい、踏んだり蹴ったりである。若手の離職率が高い企業でこのような傾向が見られることがあるので、入社3年未満の離職率くらいは事前にチェック、もしくは面接時に確認した方が無難である。

 後者ではチャレンジさせる“仕事の質と先生”がモノを言う。先ほど述べた通り、人員が圧倒的に少ないのが中小企業たるゆえん、専門性を持たない、つまり非スペシャリストな先輩や上司が指導にあたることも少なくない。新入社員が我流の教育や理論を受けて育ったなら? こちらも転職時に不利になることは、想像に易い。

中小企業は経営者次第!

 組織が小さい分、コミュニケーションはスムースで意思決定が早いのが中小企業のメリットである。力があれば、若手でもがんがん経営者にモノを申せる環境にある。だが、ここが肝心。すべての経営者が優れているわけではない。本当に魅力的で優れた経営者がいる一方で、「これで本当に会社やってんの?」と、驚愕(きょうがく)するような人物がいるのもまた、中小ならではの特性かもしれない。

 以前、笑うに笑えない経営者に遭遇したことがある。「私はビジネスパートナーは“占い”で決めることにしています」と……。当たり外れが大きいのだ。いかにアタリを発見するか? 99%の中小企業から優れた経営者を発見するか? それにはいくつかの方法がある。これは学生にとってのメリットも大きい。