コラム
» 2011年01月27日 08時00分 UPDATE

相場英雄の時事日想:何度も言う。記者クラブを解放せよ! (1/3)

相変わらず、“記者クラブ問題”でメディアが揺れている。なぜ既存メディアは記者クラブの門戸を開こうとしないのか。フリー組が参入して困るような記者ならば、さっさと辞表を書いた方がよい。

[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『株価操縦』(ダイヤモンド社)、『偽装通貨』(東京書籍)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 新聞やテレビの主要メディアが政治関連のニュースを発信するたびに、筆者はTwitterや個人ブログを通じ、霞が関、あるいは永田町にある記者クラブとフリージャーナリストの間でさまざまなトラブルが生じていることを知った。さまざまな会見にフリー組を出席させるか否かといった類いの揉め事は、当コラムをお読みの読者もご存じのはず(関連記事)

 今回の時事日想は、20年近く前にも同種のトラブルがあったことを紹介しながら、霞が関・永田町の記者クラブとその特殊性に触れてみる。

外資参入との類似性

 「ブルームバーグの記者は、兜倶楽部のボックスの前まで行って企業の広報マンがメンバーのボックスに資料を投げ込もうとすると、『1枚お願いします』と先に1枚資料を抜き始めたのだ。それに気付いた毎日新聞の記者が、バッツ(編集部注:当時のブルームバーグの日本支社長名)めがけて突進する。(中略)『私たちには情報を同時に取得する権利があります』『ここは日本だ。クラブにはクラブのルールがある』」――。

 これはノンフィクションの名著、『勝負の分かれ目/メディアの生き残りに賭けた男たちの物語』(下山進著・講談社)の一節だ。同著は、金融資本市場が猛烈な速度で膨らんだ1970年代以降、ロイターや日本経済新聞など内外のメディアがどうこれに対峙(たいじ)したかを克明に綴った作品だ。

 同作の中で、閉鎖的な日本の記者クラブの扉をこじ開けようとするブルームバーグの当時の日本支局長を追った項目の中に、冒頭の一節が登場する。

 1990年代初頭、東証の兜倶楽部でトラブルは発生した。トラブルの種は上場企業が記者クラブに投函する決算資料だ。これを巡り、記者クラブに専用資料ボックスを有する日本のメディアに対し、当時オブザーバー資格しかなく、資料を得る順番が遅かったブルームバーグとの間で押し問答が繰り広げられた。

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