持高調整の売りも嵩んで軟調な展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年01月26日 16時09分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場は軟調ながらも切り返して終わりましたが、対米ドルで円高となったことなどから売り先行となりました。それでも持高調整の売り買いが見られるなかで、円高を嫌気しながらも底堅い展開となりました。散発的に好材料に反応する動きや買戻しが多い銘柄が買われ、売り急がなければならない理由も特に見られないことから指数も軟調ながらも底堅い動きとなりました。

 相変わらず決算発表などよりも持高調整のような目先の需給要因に振らされる展開となって円高がじりじりと進む場面もあったのですが、嫌気する動きも限定的となりました。決算発表が始まるなかで、業績が大きく落ち込むようなものも見られず、総じて堅調な業績回復が期待されるなかでは持高調整の売りは見られるものの売り急ぐ動きはないと言うことでしょう。好決算を発表しながらも予想を下回ったとして売られるものなども多いのですが、業績が良いのか悪いのかといえば良いわけで、押し目ではしっかりと買いも入るのでしょう。

 ここ何年かの四半期決算では決算発表するたびに「ここまでは順調だが先行きは落ち込むのではないか」と慎重な見通しを示し、売られるような銘柄も多く見られました。円高が進む、とか新興国の需要が減退すると言う悲観的な見方が多く、慎重な見通しを示しては好業績ながらも売られると言うことが繰り返されているような感じです。ただ、最終的には割安感が募って買い直されるケースも多く、目先の値動きばかりに気を取られていると買い場を逃していることになりそうです。

 目先的には中国の金融引き締め懸念からの重要減退や米国の金融緩和継続からのドル安が日本企業にとって懸念されるのでしょうが、中国の金融引き締めもあくまでも目先的な一部のバブル潰しのためと言うことであり、米国でも企業業績の好転が徐々に個人消費や雇用、住宅市況の底入れにつながっており、いつまでも中国の金融引き締めが続くということでもなく、米国の金融緩和が続くと言うことでもないと思います。四半期決算の発表だからと言ってあまりに近視眼的に一喜一憂してもいけないと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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