コラム
» 2011年01月24日 08時08分 UPDATE

藤田正美の時事日想:ニホンだけではない。公務員の給与が狙われている (1/3)

民主党が政権運営に苦しんでいる。さまざまな問題を抱えているが、大きな問題の1つに「支持母体が労働組合」であることが挙げられる。公務員制度の改革は待ったなしのはずだが、民主党政権で果たしてそれが可能なのだろうか。

[藤田正美,Business Media 誠]

著者プロフィール:藤田正美

「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”


 2011年度予算を決める通常国会が今日から始まった。衆参ねじれ国会という厳しい状況の中で、菅政権は予算案を成立させることができるのかどうか、全く不透明だ。民主党政権の問題点はハッキリしている。圧勝した2009年の総選挙で掲げたマニフェストの中で実現できていない、あるいは実現できそうもないことが多すぎるのである。

 理由はいろいろあるだろうが、大きな問題の1つは、民主党の支持母体が労働組合だということだ。例えばマニフェストの中で、国家公務員の人件費を2割削減するというのがあった。これによって1兆円以上の支出を削減するとうたっていた。しかし来年度予算案の中ではわずか190億円しか減っていない。人事院勧告以上に削減するという話もあったが、労働争議権が制限されている見返りに人事院勧告制度があるのだから、それ以上に削減するのはおかしいという党内からの反対で立ち消えになった。

公務員問題が顕在化した理由

 英エコノミスト誌の先々週号(1月8日号)が興味深い特集を組んでいた。タイトルは「来るべき戦い」、副題に「公務員労組との戦いは、単に歳出カットの問題ではない。生産性と同等の問題である」とある。

 公務員の問題が顕在化してきたのは、要するに財政が逼迫(ひっぱく)してきたからだ。ギリシャでは財政危機に陥った政府が公務員の給与を削減しようとして大規模なデモが起こった。このような状況は、欧州だけではなく米国(例えばカリフォルニア州)でも見られる。もちろん日本も同様だ。

 理由はそれだけではない。多くの先進国では、公務員の待遇は総じて民間部門よりも高く、年金が極めて有利である上に、民間に比べてはるかに安定している(解雇されることが少ない)。さらに労働組合は常に「改革」に抵抗してきた、とエコノミスト誌は指摘する。「米国でも欧州でも、優れた教師を表彰することは、ダメ教師を首にするのと同じぐらい難しい」

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