インタビュー
» 2011年01月24日 08時00分 UPDATE

わたしはサバイバル能力の高い男性についていく――木村多江さん『東京島』を語る

1月26日にDVDが発売となる映画「東京島」。ヒロイン清子を演じた木村多江さんが映画を振り返りながら、誠Styleの男性読者に向けて現代社会のサバイバルについて語った。

[櫻井輪子,Business Media 誠]
東京島 「東京島」(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント、3990円)

 無人島に漂着した1人の女と数十人の男――極限状態でのサバイバルの行方を描いた桐野夏生原作の映画「東京島」。もしもあなたがその漂着した男性の1人だったら?

 現代の厳しい日常をサバイバルしているビジネスマンも、ITガジェットが使いものにならない無人島となると話は別だ。そこではむきだしの自分だけが勝負、まずは映画を見てイメージトレーニング。無人島サバイバルをシミュレートできたら、次はその島の唯一の女性、清子をゲットするための方法を考えよう。

 「アラフォーの女なんか興味ないし」などというなかれ、清子役は木村多江さんなのだ。清楚なイメージの木村さんが、無人島で数十人の男を相手に女王のように君臨する清子役で、色っぽいシーンにもチャレンジしたとなれば、健康な男子としては放ってはおけないだろう。

 「清子は意外と純粋で、夫となる男性たちと恋愛しようとする。その人をちゃんと好きになって添い遂げようと……、くじ引きで決まった“夫”だろうと母性で受け入れていく、という感じですね」と、木村さん。その他大勢のうちの1人ではなく、清子はちゃんと“あなた”を好きになってくれそうだ。

 でも安心しちゃいけない。女性はしたたかなのである。「でもね、わたし個人としてはサバイバル能力の高い人を見極めて、そういう人についていくと思う」と語る木村さん。撮影中は男性陣から女王さまのようにちやほやされたのか聞いたら「それを期待してたんですけどね」と笑った。

東京島 木村多江さん

「東京島に漂着するフリーター役の役者さんたちは何か遠慮してるというか、わたしのことが怖かったのかもしれませんけど(笑)。お芝居をするときは、男とか女とか年齢にも関係なく、戦いたいというか、かかって来いよ! みたいな気持ちがふつふつと沸いてきちゃうんですよ。女王さまというより、男性的なリーダーになってたような気がします」

 貞淑で夫をたてる妻役のイメージが強いが、女優としての木村さんは一筋縄ではいかない女性のようだ。「清子は40代で、普通に生活していたときは重ねた年齢のぶんだけ保守的に生きてたと思うんです。年を重ねて自由さを失っていく感覚を味わい締め付けが厳しくなっていった分、無人島という環境下で本能が出てきたときの開き直り方が強い。女性って元々開き直ると強いけど、年代的にそういう部分がさらに強調されてると思います」

 女はコワイ。そして男のほうが得てしてロマンチストだから「女性にはこうであってほしくないという、男性の夢が破れちゃうような女性の現実的な部分を生々しく見せつけられるとがっかりしちゃうかも」という木村さんに“東京島”で選ばれるためにはどうしたらいいのか聞いてみた。

「男性たちも自分の本能に気付くべきなのかな? 演じてて思ったのは、『自分とはこういう人間だ』という枠を作ってるのは自分自身だということ。それは秩序とか理性とか固定概念とかに縛られてるからなんですけど、それを取り払うことで自由さを手に入れることができる」

「サバイバル能力ってその固定概念を取り払って自分の殻を破る能力でもあると思うんです。それを取り払った自由さを手に入れれば、前向きにアグレッシブに生きることが可能だから、素敵に年を重ねられますよね。自分でも気が付かないうちに肩書きや役職に縛られていると思うんですけど、でも実際の自分は違って可能性はたくさんあったりするから、まず肩書きに縛られないことをしていくことが大事かな。それができる人ほど、そのときどきを楽しめるような気がします」

 自分を解き放てる男性にならないといけないのだろうか?

「無人島じゃなければ、十分生き残っていけると思いますけれど(笑)。年を重ねるときにそれができると楽しいことや豊かなことが増えて、人として面白いし魅力的になりますよ。わたし自身、わたしが持ってる肩書きのすべてがなくなったら、どこに魅力があるんだろう? って考えてみたときに、むき出しの自分が本来の自分で、そこが魅力的なほうが楽しいな、と清子を演じていて思ったんです」

 というわけで一度、iPhoneもAndroidケータイも捨てて、むき出しの自分を見つめ直したほうが良さそうだ。

 最後にちょっと裏技を。「東京島」で清子を囲う男たちの集団から離れて孤立するワタナベ、彼と清子の関係が興味深いのだ。

「2人にはどこか似てる部分があったんじゃないかな。同じようなところがあると腹も立つし、惹かれ合うでしょう。恋愛感情的なものは、ワタナベには確実にあったと思います。清子がキツいこといったときに彼が傷ついてるのはすごく感じてた。悪いことしたな、って。いい合ってるわりにはそのたびに彼が傷ついてること、そのナイーブさが分かって、自分も痛みをともなう。傷つけるとその人のこと気になるじゃないですか、それが惹かれ合う要素だったんじゃないかと」

 一種のツンデレなタイプのワタナベ、ほかのサバイバル男たちより清子の乙女心に直撃している様子だ。難易度は高いが、むき出しの自分で正面からチャレンジするのは苦手、という人はこの路線もありかもしれない。「東京島」のDVDを観て学習しよう。

あらすじ

奇妙な共同生活が始まった。やがて、夫が謎の死を遂げ、清子はただ1人の女性として女王のように君臨。しかし、楽園のような暮らしも長くは続かず、少しずつ島のバランスが崩れ始める。争いを避け、ルールをつくり安住しようとする日本の男たち、脱出計画を立てながらも、生存能力を発揮する中国人。相容れない2つのグループの間を渡り歩き、何があろうと脱出しようと決意する清子。果たして、この孤島「東京島」で、一体何が起こるのか?

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