自己アピールのオモテ
サークル活動、バイト経験、語学力、ボランティア活動、優秀な学業成績などを学生は懸命にアピールする。やはり使える人間と思ってもらえなければ、面接は通らないもの。これって本当なのだろうか?
自己アピールのウラ
学生時代の経験値など、たかがしれている。ビジネスに直結するキャリアならまだしも、そんな学生はまれである。はなから企業は学生の「過去」など眼中になく、学生時代に誇れる“実績みたいなモノ”があっても、それで飯が食えるわけではない。ビジネスができる保証にはならないのだ。
学生たちが羅列するアピールの数々、それは人事にとってはドングリの背比べに過ぎない。近年は語学力を武器にする学生も多いが、これはちょっと注意をしなければならない。例えば英語を話せて損はないが、語学堪能であることと、ビジネス力は、全くの別物ということを忘れてはならない。ここを勘違いして語学力ばかりを猛アピールすると、考え方が浅いなあ、と墓穴を掘ることになる。
自己アピールのウラのウラ
企業が見極めようとしているのは学生の「将来」である。過去もそれなりの判断材料にはするが、目的はあくまでも未来のビジネス力やポテンシャル。しかし、そんなもの、どうやって判断するのだろうか? それが学生の「現在」にある。
「学生の“面構え”を見て、だいたい3秒で決めるんだよね」とは、とある大企業の人事部幹部の弁。3秒!? 見た目じゃん! いやいや、見た目とは異なる。顔つきだ。面構えだ。その人が醸す雰囲気だ。つまり、ほぼ第一印象で決めていることになる。最初に抱いた直感をベースにしながら、さまざまな質問で学生の現在をあぶり出し、未来を推し量っていくのだ。
第一印象・直感とは、実は人間が有する能力の中でもかなり優れたチカラであり、正しい判断にはもっとも効果的であるとさえ言われている。多くの面接のプロはこの能力に長けており、大量の学生を瞬時にさばいていく。学生が懸命にアピールしても、着席した段階で、面接官のココロはすでに決定していることが多い。わずか3秒の勝負。
第一印象が非常に重要なのは、その特性にある。良い第一印象を持った場合、相手がその後ヘマをしても良いイメージがカバーしてくれるため、なかなか評価は下がらない。反対に第一印象が悪いと、その後に良い面をどんどんみせても、残念ながらイメージは改善しづらい。何だか不公平のように思えるかもしれないが、人間の心理はこのように出きている。良い第一印象を持たれることは、面接のみならずあらゆる人間活動において非常に有利に働くのだ。
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