コラム
» 2011年01月20日 08時00分 UPDATE

相場英雄の時事日想:記者の出世は“見えない壁”で決まる、歪な内情 (1/3)

「会社の人間関係に悩んでいる」といったビジネスパーソンも多いだろう。メディアも例外ではなく、いわゆる“閥”が幅を利かせている。今回の時事日想は、メディア界の社内階級制度などに触れてみる。

[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『株価操縦』(ダイヤモンド社)、『偽装通貨』(東京書籍)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 読者の所属する企業、あるいは団体の人間関係は良好だろうか? 派閥、あるいは学閥が幅を利かせ、窮屈な思いを強いられている向きもいるのではないだろうか。筆者が長らく籍を置いていたマスコミ業界は、個性の強い面子が集まっていただけに、人間関係は複雑だった。今回は、ほとんど取り上げられることのないメディア界の社内階級制度、あるいは「閥」の内情に触れてみる。

「君は有資格者ではない」

yd_aiba1.jpg 採用時の職種はキーパンチャーだった(写真と本文は関係ありません)

 以前本コラムで触れたが、筆者はバブル経済の真っただ中、1989年に古巣の通信社に入社した。採用時の職種はキーパンチャーだ。

 当時の古巣は、金融機関のディーラー向け情報端末がヒットしたばかりのタイミングで、全国、世界中の支局から届く手書き原稿をテキスト化する需要が高まっていた。

 外国語専門学校でタイプを習い、ブラインドタッチができるという非常に緩い条件で、筆者はマスコミ業界の一員となった。

 入社後は、情報端末の編集部門で外為や株式市況、膨大な量の市場データの編集業務に携わった。仕事に慣れた95年、日本の金融界が不良債権問題に揺れ始めた。当時、経済部は同問題を集中的にカバーするため、日銀や大蔵省(現財務省)の取材態勢を変更し、外為市況担当に欠員が生じた。筆者はこの欠員を埋めるべく、若干の金融知識があるというだけの理由で記者職に転じた。以降、日銀記者クラブで3年ほど過ごし、東京証券取引所の兜クラブに異動した。

 兜クラブで市況や外資系金融機関を2年間カバーしたころ、当時のキャップから次の異動先の希望を尋ねられた。筆者は迷うことなく「財研」(大蔵省記者クラブ)と返答した。

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