中国金融引き締め懸念から上値の重い冴えない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2011年01月17日 16時10分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場への反応が鈍くなっている感じです。中国市場に反応しているというよりは中国の景気動向に反応していると言うことなのでしょうが、目先の需給要因で動いていることには変わりなさそうです。同じ業種の中でも高安まちまち、ディフェンシブ銘柄の中でも景気敏感銘柄の中でも高安まちまちとなって、市場全体としての方向感や物色対象に乏しい展開でした。目先の材料に反応するものの、最後まで買い切れず、売り切れず、と言う感じでした。

 米3連休を控えていることから、本日も動きが鈍いのは致し方ないのですが、個別の材料への反応もまちまちとなっており、目先の需給要因だけで右往左往しているようです。市場参加者もようやく増えて来たかと思われましたが、この期に及んでも(?)まだ最後まで買い切れない、売り切れないと言うことのようです。今年度の下期業績はおそらく大半の企業が思ったほど落ち込むこともなかったのではないかと思われ、その分だけでも年末年始のパフォーマンスが米国株式市場などよりも良くなっても不思議はないと思います。

 日経ジャスダック平均が非常に強い動きとなっています。昨年の「ジャスダックTOP20」指数の算出やそれに伴うETF(上場投資信託)の設定に絡む買いが入り一気に買いの回転が効いて大きな上昇となったものと思います。このように直接的な需給の変化がないとなかなか買い切れないと言うことなのでしょうが、本来、日経ジャスダック平均を押し上げているような銘柄は「スマートフォン関連」であり、「クラウドコンピューティング」関連銘柄であり、改めて見直されたと言う面もあるのだと思います。

 市場の大きな流れは基本的には「サブプライムショック=金融不況」以降の戻り過程では変わらず、新興国景気に牽引されたものであり、その新興国景気の拡大をもたらせた、「新興国の生活水準向上」や「発電所=スマートグリッド」に代表される「新興国のインフラ整備」であり、先進国の技術革新の流れのなかでの「スマートフォン関連」=「クラウドコンピューティング関連」銘柄と言うことになるのでしょう。最後まで買い切れる銘柄としてこの流れは今年も続くのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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