米国株は軟調となったのですが、ユーロが堅調となったことや米国市場の引け後にインテルが好調な決算を発表したことから堅調な相場も期待されたのですが、目先的な過熱感からの週末の手仕舞い売りやオプションSQ(特別清算指数)算出に絡む売りもあって、売り先行となりました。ただ、外国人が買い越し基調となっていることや1月14日が「上昇の特異日」と言うこともあって売り難く、寄付きからの売りが一巡した後は底堅さも見られました。後場は円高となったことや改造内閣への失望感もあって下げ幅を広げ、安値圏での引けとなりました。
「上昇の特異日」と言うことでしたが、冴えない展開となりました。米インテルの決算も一昔前であれば日本市場にも大きな影響となったのでしょうが、今はむしろ米アップルの決算の方が影響が大きいという見方も強く、半導体関連銘柄の一角、直接影響がある銘柄には堅調なものも見られたのですが、日本市場全体への影響という意味ではあまり大きな影響はなかったと言うことになります。
「大納会」や「大発会」が特別なものとされなくなった感があるように、相場の見方、影響度合いなども変わっているものと思われます。また、株価の動きが逆に材料を探したり、無視したりすることも多く、本日の冴えない相場展開も米インテルの決算に反応しなくなった云々と言うことでもなく、ましてや中国の市場が軟調となったからなどと言うことでもなく、単に過熱感の強い週末ということで持高調整の売りが嵩んだということなのかもしれません。
もちろん、実際のところは、ある人は中国株が安いからといって必死になって売り叩き、ある人は内閣改造での経済財政担当大臣が財政出動に慎重な人だからといって信用収縮を懸念したのかもしれません。一つのことだけを見て市場参加者が全員動いているわけでもありませんし、人それぞれ見方も反応の仕方も違うと思います。ですから、相場の流れに乗ることは大切でも、しっかりとしたスタンスで相場を見ることが大事なことで、右を見たり左を見たりしながら右往左往することだけは避けた方が良いのではないかと思います。
慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤」
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