投資判断の引き上げにも敏感に反応し堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2011年01月12日 08時29分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<日経平均>10510.68▼30.36

<TOPIX>926.94△0.52

<NYダウ>11671.88△34.43

<NASDAQ>2716.83△9.03

<NY為替>83.24△0.49

決算発表や業績動向に反応しながら、投資判断の引き上げにも敏感に反応し堅調な展開

 欧州金融不安はいつものように(?)一段落となり、好調な業績動向を示す企業や投資判断の引き上げなどに敏感に反応して堅調となりました。金先物や原油先物も堅調となり、引き続き資金の回転は良く、欧州金融不安は燻るものの信用収縮とはならず、好業績に素直な反応となっているようです。目先的な過熱感は依然として強く、一気に買い上がると言うことでもないのですが、足元の景気回復期待を確かめ、業績を確かめながら買っているというような感じです。

 決算発表も始まりましたが、年末商戦の販売が好調ということで、利益見通しを引き上げたり、市場予想の利益見通しを発表するものもあるなど足元の景気回復をしっかりと確認するような展開になりつつあります。個人消費関連や住宅関連企業の好調な業績が示されたことで、景気底割れ懸念はかなり薄れているものと思われます。今後も決算動向に敏感に反応することになるのでしょうが、好調な決算に素直な反応となっているように強含みの展開が期待されます。

 個別には前日の引け後に決算を発表、売上高が市場予想を下回ったアルコアは売りが先行となり、朝方予想を上回る四半期決算を発表したレナーは大幅高、投資判断の引き上げがあったHP(ヒューレット・パッカード)は高く、利益見通しを引き上げたティファニーは買い先行の後は売られましたが予想以上の利益見通しとなったシアーズは大幅高となりました。原油や金の先物価格が堅調となったことで、シェブロンなどの石油株、パブリック・ゴールドなどの金鉱株も堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は3連休中の買い株が冴えない展開となり為替も円高に振れたことから売り先行となりましたが、割安銘柄、出遅れ銘柄を物色する動きもあり、指数は底堅い展開となりました。米国景気の回復度合いを計ることになるのでしょうが、回復期待も根強く、日本株の出遅れ感が強いこともあり、売り急ぐこともないと言うことなのだと思います。外国人も買い越し基調となっていることもあり、底堅い展開となっているものと思います。

 米国株式市場が堅調となったことや欧州金融不安も薄れ、為替も落ち着いたことから、堅調な展開が期待されます。ただ、指数の目先的な過熱感が強いこともあり、市場全体が押し上げられるというよりは売られたものが買われ、買われたものは利益確定売りに押されて上値も重く、出遅れ感が強いものが買われるような展開になって来るものと思われます。ハイテク銘柄などの反発も期待できるのでしょうが、スマートフォンや電子書籍関連、電気自動車関連などの小型株を物色する動きもあるものと思います。

 日経平均は10500円固めとなり底堅さは見られたものの、目先的な過熱感も強く、10500円〜600円水準でのもみ合いという段階かもしれません。為替が落ち着いてくれば、業績下振れ懸念が薄れて、割安感がある銘柄などの水準訂正で、日経平均も押し上げられるものと思いますが、10500円〜600円水準を下値、10800円〜900円水準を上値のもみ合いとなってくるのではないかと思います。本日は10600円水準での上値の重さを確かめるような展開になりそうです。

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