目指せ世界一周!「サムライバックパッカープロジェクト」とは?「タダコピ」創業者の挑戦(3/3 ページ)

» 2011年01月06日 12時00分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]
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世界一周のために、どんな準備を?

 ところで、「世界一周」をするためには、どんな準備が必要なのだろう。

 本文にも書いた通り、太田さんは大学2年生のときに「タダコピ」の運営会社を設立。20歳から25歳までの5年間を仕事中心に過ごしてきた。その中で、海外で働く人たちの話を聞いたり、上海の街を案内してもらったりする中で、日本ではなく世界を意識するようになったという。

 しかし太田さんは海外経験があるわけでもないし、1年以上という長期のプランとなれば、資金も必要になる。いきなり世界一周に行くのではなく、綿密な準備が必要だったはずだ。太田さんに聞いてみたところ、準備したことを3つ教えてくれた。

支援者を集めること

 個人的な旅ではなく、メンバーと一緒に企画・実行する「プロジェクト」であることが、サムライバックパッカープロジェクトの1つの大きなポイントだ。実際に旅に出るのは太田さん1人だが、太田さんが見聞きしたことをできるだけ多くの人に伝え、さまざまな形で情報公開するには、パートナーの協力が必ず必要になる。

 サムライバックパッカープロジェクトのメンバー(5名)のほか、Skypeや世界一周堂といった企業にプロジェクトサポーターとしてついてもらっている。また、海外でのレポートも、本誌のほか宣伝会議でも掲載中だ。

3カ月間フィリピンで語学留学

 インタビューする相手は日本人とはいえ、英語が最低限話せないことには、世界一周の旅そのものが成り立たない。流ちょうに英語を操るのではなくても、自分の意志を伝え、相手が話していることを理解できる程度の英語力は必要だ。

 太田さんは世界一周の旅に出るにあたり、その前に3カ月フィリピンへ語学留学し、ここで英語への自信を付けたという。フィリピンはタガログ語と英語が公用語であり、他国に比べて格安に英語を学ぶことができたという。フィリピンへの語学留学のメリットについては、機会があれば別記事で詳しく紹介したい。

持ち物

 スムーズに旅を続けるために重要なのが持ち物。しかし持ち物が多すぎても行動範囲が狭まってしまい、持ち物のチョイスは難しいところだ。ここではガジェット類を中心に、荷物の中身を一部見せてもらった。

 原稿やメールを書くのは、使い始めて3年目のLet's note(CF-W7)。データバックアップ用に、500Gバイトの外付けHDDも持ち歩く(耐衝撃タイプ)。ウォークマンはノイズキャンセリングタイプを使用している。携帯電話はソフトバンクのiPhone 3Gとソニーエリクソン製のグローバル対応au端末の2台。このほか、海外で安く電話を使用するためSIMロックフリーのNOKIA E5を所持。SkypeやUstream用に、ロジクール製のWebカメラも携行している。

 マグライトのほか、カナビナもライト付きのものをチョイス。コンパス、緊急時用のソーラーバッテリー、電源タップ、電源・電圧の変換プラグ、ハンディタイプの電子辞書(キヤノン製)、USBメモリ2個、LANケーブルを持参している。デジカメはソニー「Cybershot TX5」。防水、耐衝撃、防塵、耐低温が決め手で選んだそうだ。

 衣類は、バックパックでの旅なのでそう多くは持っていけない。下着、Tシャツ等は数枚ずつ、ユニクロのヒートテック上下、ユニクロのウルトラプレミアムダウンジャケットを防寒具として持参している。普段はスニーカーにジーンズにTシャツで行動しているが、フォーマルな場に出ることも考えて、ワイシャツとジャケット、黒色の綿パンツ、革靴も荷物に入れた。後は必要に応じて現地調達をする予定とのことだ。

 ちなみにこれらの荷物を入れているバックパックは、ある大学生から譲り受けたものである。Twitter上で「押入れの中に眠っている貴方のバックパック、僕が世界一周に連れていって本来のバックパックの使命を果たします!どなたか格安でお譲り頂けませんか?」と呼びかけたところ、無償で提供してくれたという。


Business Media 誠は、太田さんのプロジェクトを応援します

 冒頭に書いたとおり、筆者も若い人には20代のうちに一度は海外に行ってみてほしいと考えている。せめて観光目的、可能なら海外で暮らしてみる経験をするとしないのとでは、今後大きな差につながるのではないか。会社勤めを始め、年を取れば取るほど、海外へ行き、そこからさまざまなことを吸収することは難しくなる。それだけに、「若いうちに海外経験を」という太田さんの考えに共感するし、応援したいと考えているのだ。

 Business Media 誠では、太田さんの「世界で見聞きしたことを発信したい!」という気持ちに応えるべく、彼が海外で取材・執筆したコラムを誠の記事として転載していきたいと考えている。なお、まとまったコラムのほか、リアルタイムなつぶやき、考えは、太田さんのTwitter(@mohideki)や、サムライバックパッカープロジェクトの公式サイト(参照リンク)で随時読むことができる。

 25歳の太田さんの目に映る世界とは? そのエッセンスを記事として読者のみなさんにも共有していただければありがたい。来年以降太田さんがどうたくましくなって帰ってくるのか。誠読者のみなさんとともに見守りたい。

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