“ANB48”も投入、百貨店はコンビニ・ネットから顧客を取り戻せるか?(1/2 ページ)

» 2010年12月29日 08時00分 公開
[猪口真,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:猪口真(いのぐち・まこと)

株式会社パトス代表取締役。


 百貨店が若者男性の呼び込みに必死だ。売り場に「ANB48(ACCESSORIES NAVIGATE BOY 4TO8)」と呼ばれる男性のナビゲーター役を置いたり、若者男性に向けた商品を置いたり、百貨店は若い男性層の呼び込みのために、さまざまな手を尽くしている。

 日本百貨店協会によると、10月の紳士服売上高では前年比1.6%増となった模様で、関東を中心に紳士服の売り上げ増を発表した百貨店は多い。全体シェアから見れば、微々たるものかもしれないが、百貨店はこの層に活路を見出そうと戦略を練る。

 一方、日本通信販売協会のインターネット通販利用者実態調査2010の発表によると、ここ数年の顕著な例として、20歳代男性のネット通販が際立って伸びているという。男性20歳代で週3回以上利用する割合が、なんと14.1%もいるというのだ。

 そして、これまでの通説とされていた、深夜を中心とした利用時間が21〜23時といった、いわゆる「プライム」の時間帯に移っていることも紹介している。さらに百貨店お得意のレディースファッションにおいても3年前と比べても、インターネット通販利用率が7%以上も上昇している。

 かつて百貨店といえば、バブルの時代(我々世代)に代表されるように、百貨店の提案するライフスタイルに人々はあこがれ、百貨店で商品を購入することで「中の上」クラスへの生活を疑似体験していた。

 しかし、ネット通販利用者にしてみれば、新しい提案もあるわけではなく、むしろトレンドを追うような百貨店からの情報など不要だろうし、ライフスタイルのヒントはどこにでもある。こうした状況の今、ブランドものなら「ZOZO TOWN」に行くだろうし、商品の評判を知りたければ「口コミサイト」をのぞくだろう。

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