――ハイローラーにはどのようなコンプサービスがあるのでしょうか?
X:コンプは米国、マカオ、韓国などが主流で、欧州のカジノでは行っていない。コンプには交通費、ホテル代、レストラン代、ショー料金などが含まれ、カジノ事業の部門が他部門に支払うといった形だ。
例えば家族4人でラスベガスに行って、5000ドルかかったとする。大型のカジノでは日本人ホストがいて、そのホストに「5000ドルで遊びたい」と相談すると、5000ドル分のコンプサービスがある。食事がタダになったり、宿泊費がタダになったり、さまざまな形でサービスが提供される。
また私が日本にいるときでも、さまざまなカジノが接待をしてくれる。高級レストランに連れて行ってくれたり、銀座のバーに連れて行ってくれたり。「どのような基準でカジノを選んでいますか?」といったことを聞かれることがあるが、私はコンプサービスがいいところを選ぶ。私は単純な人間なので、欲望のままに動くだけだ(笑)。
――日本人のハイローラーは多いのでしょうか?
X:バブル経済のころは、日本人のハイローラーがものすごく多かった。しかし2000年以降は先進国のハイローラーが激減し、その一方でアジア地域の新興国からのハイローラーが急増している。
これはラスベガスで聞いた話だが、米国でIT企業を立ち上げ、莫大な財産を築いた男がラスベガスに遊びに来たそうだ。しかし彼はカジノでギャンブルを楽しむために来たのではなく、ゴルフをするために来た。そして男はラスベガスのホテルでVIPルームの宿泊を希望したが、そのホテルは断ったという。事実関係は分からないが、これだけは言える。カジノではギャンブルにお金を使ってくれる人が、“最高のお客”であることだ。
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