休日を控えて手仕舞い売りに押され上値の重い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年12月22日 16時30分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場は堅調、為替は若干ユーロで円高となったのですが、落ち着いた展開となり、外国人も買い越しと伝えられたのですが昨日の大幅高の反動もあって売り先行となりました。その後は商品相場高に反応するような動きは見られるものの、特に売り買い偏らせるような材料に乏しく、クリスマス休暇中の休日の前とあって持高調整の売り買いが中心で方向のない展開となりました。昨日のまとまった買い、一昨日のまとまった売りのように売り買いどちらかに偏るような持高調整もなく、最後まで方向感はありませんでした。

 平成に入ってから年末のこの時期は「天皇誕生日」とクリスマス休暇が重なり、休日モードとなることが多くなったような気がします。特に外国人などは12月の先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出が終わると、休暇に入るなどと言われています。実際に本当に休暇に入るような向きがそれほど多いと言うことではないのでしょうが、何となく年末独特の雰囲気になって来るから不思議です。

 12月は上昇することが多いと以前述べましたが、上昇する=陽線となることが多いということは月末にかけて買われると言うことで、前日に比べて高いか安いか実際に過去の動向を見て見ると、16〜19日の間は軟調となることが多く、25日以降は高いことが多いのです。20日までは12月決算の年金などの手仕舞い売りなどもあるのでしょうし、年末は「掉尾の一振」となることが多いようです。新年度に対する期待も強いと言うことなのでしょう。

 日経平均が、前日に比べて上昇となった確率は、16、17、19日が40%台前半であり、25、26、28、29日が60%台後半から70%を超えており、特にクリスマスが終わってから高いことが多いことがわかります。もちろん、今年も同じような展開となると決まったわけでもないのですが、株式投資は投資家の心理状態を示したものと考えると、「年末・年始」と言う特別な日を迎える心理状態は変わらないものと思われ、大いに参考になるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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