順調な景気回復を織り込むように堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年12月22日 08時40分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11533.16△55.03

<NASDAQ>2667.61△18.05

<NY為替>83.74▼0.02

好決算の発表を受け、順調な景気回復を織り込むように堅調な展開

 中国のEU(欧州連合)支援の話題や好調な企業業績、強気な業績発表もあり堅調な展開となりました。M&A(企業の合併・買収)に絡む話題もあり、商品相場も堅調ということで、引き続き信用収縮懸念もなく幅広い銘柄が買われ、ダウ平均は2008年8月末以来、約2年3カ月ぶりの水準となりました。欧州各国に対する格付け引き下げの話題で上値も限られてはいたのですが、特に問題視することもなく、企業業績の回復の広がりを好感して堅調となりました。

 従来から述べているように、新興国の経済拡大をドル安や金融緩和の効果で企業業績の回復に織り込むことが鮮明になって来たことで、個人消費などへの波及も期待され景気回復を確認するように堅調となっています。バブル的な、お化粧的な要素はあるものの、「サブプライム問題」に端を発した金融危機からの回復が確認されつつあるということなのだと思います。企業業績の回復が雇用や個人消費に波及していること、あるいは波及して行くことが確認されると金融緩和の「出口戦略」が取り沙汰されるまではさらに株価の上昇が期待されます。

 個別にはデルがCEO(最高経営責任者)が自社株を追加購入したことが明らかになり、先行きに対する期待から買われて大幅高、「アップルTV]の販売が好調ということで、アップルも堅調となるなど、ハイテク銘柄は堅調なものが目立ちました。欧州金融不安も根強いのですが、中国が支援するとの報道が好感されたこともあり、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株は高く、アメリカン・エキスプレスも売られ過ぎの反動もあって堅調となりました。景気回復期待が強まったことで、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)が高く、商品相場が堅調ということで、アルコアなどの素材株、エクソン・モービルなどの石油株、パブリック・ゴールドなどの金鉱株が軒並み堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国市場が冴えない展開となり、為替が円高に振れ、外国人も売り越しと伝えられたにもかかわらず、買い先行となり、持高調整の買い戻しも見られて、堅調な展開となりました。後場も先物にまとまった買いが入ると、中国がEU(欧州連合)を支援するとの話題もあり、一段高、大幅高となりました。後場になるとユーロが堅調となり、ドルも底堅さが見られたことで買い急ぐ動きもあったものと思います。

 米国市場が堅調となったことから日本市場も堅調な展開が期待されます。ただ、為替は落ち着いているものの対ユーロで円高となっており、休日を前に手仕舞い売りが嵩む可能性もありそうです。10−12月期は円高一服となったことで企業業績の上振れが期待できることや単純に「掉尾の一振」を期待する向きもあり、売り急ぐようなこともないのでしょうが、昨日の大幅高の反動もあって上値も重くなりそうです。ハイテク銘柄やここのところ上昇となっていた内需株などは利益確定売りに押されるのかもしれません。

 先々週末の大きな陰線を抜け切れず、もみ合いの中での動きとなっています。抜けた方に大きく動くものと思われますが、目先的な指数の過熱感を見ると下に、企業業績の回復やセンチメントを考えると上に抜けそうです。いったん上に抜けても上値が重く、下値は10200円〜300円水準、上値は10500円〜600円水準と言うもみ合いとなって来る可能性が高いのではないかと思います。ただ、本日は上値も重く、10200円〜300円水準での底値固めという展開には変わりなさそうです。

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