大企業が社員のクビを切れば、“いいこと”もあるのではちきりん×磯崎哲也のマジメにおちゃらける(7)(1/3 ページ)

» 2010年12月24日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 大企業が社員のクビを切れば、何か“いいこと”はあるのだろうか。リストラをされた人は将来の不安を感じるかもしれないが、その一方でメリットもあるかもしれない。この問題について、人気ブロガーちきりんさんと公認会計士の磯崎哲也さんが語り合った。

磯崎哲也(いそざき・てつや)さんのプロフィール

1984年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。長銀総合研究所で、経営戦略・新規事業・システムなどの経営コンサルタント、インターネット産業のアナリストとして勤務。その後、1998年カブドットコム証券株式会社の社外取締役、株式会社ミクシィ社外監査役、中央大学法科大学院兼任講師などを歴任。現在、磯崎哲也事務所代表。公認会計士、システム監査技術者、公認金融監査人。

著書に『起業のファイナンス』(日本実業出版社)がある。ブログ:isologue、Twitterアカウント:@isologue


田舎に住んでいると刺激を受けにくい

磯崎哲也さん

磯崎:僕は地方で暮らしたことがないので、よく分からないのですが、地方は保守的な人が多いんでしょうか?

ちきりん:私は兵庫県の中堅都市で生まれ育ちました。「面白いことをしよう」と考えている人はたいてい、東京や大阪の大学に行っていましたね。田舎というほどの場所でもなかったですが、それでも日常生活で刺激を受ける機会は少ないです。

 例えば親戚10人いれば4人くらいは公務員、そして3人が銀行員か固い会社に勤めているといった感じ(笑)。少なくとも私の周囲で、会社を起業した人はいませんでしたね。

磯崎:ちきりんさんが田舎に帰ると、どういった扱いをされるんですか?(笑)

ちきりん:私の行動に対し、なかなか理解してくれませんでしたね(笑)。海外に留学することも反対されました。当時はまだまだ女性が大企業でおもしろい仕事を得ることが大変な時期だったので、「そんないい仕事に就けているのに、なぜ退職してまで留学するの?」と質問攻めにあいました。また帰国前にも「新卒でもない女性を雇う会社なんて、どこにもないぞ」と脅かされました(笑)。

 結局、外資系企業で働くことになったのですが、説明しても「どんな仕事をしているのかよく分からない」と言われました。もしお見合いするとなれば、私の経歴だと“価値がない”感じでしょうね(笑)。

磯崎:ハハハ。

ちきりん:人はそれぞれ“刺激のコップ”を持っていて、その中に入ってくる刺激の量が一定の閾値を超えると、「オレも何かやってみようかな」という決断に達するんだと思うんです。しかし田舎に住んでいると、コップの中に刺激がたまらないんですよ。なので若い人はできるだけ早く都会に出てくるとか外国に行ってみるとか、今ならTwitterなどを使って世界を広げて刺激を受けるのも悪くないかもしれませんね。

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