コラム
» 2010年12月22日 08時00分 UPDATE

コンビニ、ヒット商品の理由:栄養ドリンクの売れ筋が季節によって違うワケ (1/2)

日夜働きづめのビジネスパーソンの強い味方となる栄養ドリンク。コンビニでも飲料売り上げの10%を占めているが、その売れ筋は夏と冬で異なっている。その理由は何なのだろうか。

[笠井清志,Business Media 誠]

「コンビニ、ヒット商品の理由」とは?:

限られた売り場を最大限に活用して、面積当たりの売り上げを高めているコンビニ。約100種類の新商品が毎週発売されているが、売れない商品は発売から2週間ほどで撤去されてしまう。厳しい審判をくぐり抜け、コンビニでヒットしているのはどんな商品なのか。一般には「おいしい商品」「お得な商品」「テレビCMが放映されている商品」が売れると思われがちだが、実は重要なのは「店頭展開」。このコラムでは、コンビニのヒット商品を展開方法の観点から分析していく。


 「ファイト・一発!」で知られるリポビタンDに代表される栄養ドリンク。栄養ドリンクはリポビタンDのように、小びんに入っている疲労回復や健康維持目的の飲料のことを指すが、その市場規模は1000億円と言われている。しかし、市場自体は成熟期に入っており、新規商品や新規ブランドの展開も落ち着いてきている。

 このような市場環境にある栄養ドリンクだが、コンビニではどのような位置付けなのだろうか。次図は、あるコンビニチェーンの年間飲料売り上げの内訳だ。お茶・紅茶系が一番の売れ筋ではあるが、健康ドリンク(栄養ドリンク)も炭酸・果汁、スポーツ・水、コーヒーに次ぐ売り上げで、全体の約10%と無視できない大きさであることが分かる。

 利益面から見ても、栄養ドリンクの平均的な粗利率(約40%弱)はほかの飲料よりも高い傾向にあり、コンビニの重要な利益源となっている。

ah_kasai1.jpg あるコンビニチェーンの年間飲料売り上げの内訳

 現在は重要な商品カテゴリーに成長した栄養ドリンクだが、一昔前はここまで大きくなかった。かつての栄養ドリンクはオロナミンCとリポビタンDが目立つ程度で、売り場も広くとられておらず、缶コーヒーや缶ジュースの横、飲料売り場の最上段の目立たない場所などに陳列されていた。しかし今では栄養ドリンクは、レジ前の小さな冷蔵機器に陳列されるようになっている。

ah_kasai2.jpg

 栄養ドリンクの売り上げが伸び始めたのは、各メーカーから新ブランド・新商品が相次いで発売されてきたことがきっかけである。新ブランドの発売とともに、既存の定番商品の派生品である高付加価値&高効果商品(●●EX、●●DXなど)も登場。アイテムが増えるに従って、陳列する場所を拡大する必要性が高まり、前述の栄養ドリンク専用冷蔵機器も登場したのである。

 冷蔵機器の設置場所はレジ前や入口前が一般的だが、これは薬局などでの飲用シーンと同様の顧客行動を考えてのこと。「疲れたサラリーマンが薬局に駆け込み、栄養ドリンクを手に取りその場でグイッと一気飲み」というシーンである。

 実際に、丸の内付近のコンビニで来店者の行動を見ていると、入口でリポビタンDを手にとってレジに行き、精算後にその場で一気飲みをして店を出るビジネスパーソンの姿を確認した。

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