ニホン人が、借金の恐さを知らないワケちきりん×磯崎哲也のマジメにおちゃらける(6)(4/4 ページ)

» 2010年12月21日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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磯崎:ベンチャー企業で成功してる人を見ると、「お金が好き」という動機で起業する人よりも「仕事がめちゃめちゃ好き」という人の方が成功している確率が高いような気がしますね。しかしそうはいっても、学生のころにはイマイチで、彼女に振られて泣いてたような奴がうまくいって、何十億円も資産ができるというのは、友人たちにはかなり「刺激」になるんじゃないかと思います。大企業でエリートサラリーマンをやっていても「オレの生涯年収って、2〜3億円か……。リスクが限定的なら夢があることにチャレンジしてみたい」と感じるかもしれません。

ちきりん:一流会社で働いていても、楽しんでいるのは30代までで、40〜50代になると「仕事がつまらない」と感じている人はたくさんいます。企業が成長していないので、面白い仕事自体が少なくなって、組織を維持するための仕事をしている人が増え、そうなれば面白くなくて当たり前なんです。でも彼らはもう動けない。40代以上の人はいろいろなものを抱え込んでいますから。例えば家族であったり、住宅ローンであったり。

 あまり何も抱え込んでいない30代前半くらいまでであれば「よし自分も会社を起こしてみよう」と思いやすいんでしょうけど。

磯崎:そうですね。

ちきりん:ちなみに私はブログで「過大な借金をして家を買うな」と、しつこく書いています(笑)。なぜかといえば、たくさんの借金を背負ってしまうと、楽しいことができなくなってしまうからです。例えばボーナス払いで何十万円も支払う契約だと、魅力的な機会と遭遇できてもベンチャー企業への転職は難しくなるでしょ。できるだけ身軽に生きた方が、面白いことに遭遇したときにその道に進みやすいんですよ。

 このことを何度も訴えているんですが、私の周囲の人はみんなすごい借金をして家を買ってしまう。誰も私のいうことを聞いてくれません(笑)。

磯崎:ハハハ。

 →次回、12月24日掲載予定。

著者プロフィール:ちきりん

兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN

 →Chikirinの日記


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