見切売りが嵩んで一時大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年12月20日 16時06分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10216.41円 ▼87.42円
売買高 17億0906万株
売買代金 1兆1713億7900万円
値上がり銘柄 446銘柄
値下がり銘柄 1102銘柄
騰落レシオ 146.46% △1.10%

日経平均

中国の「バブル潰し」や北朝鮮問題などを嫌気して見切売りが嵩んで一時大幅下落

 週明けの日本市場は先週末の米国株はまちまち、為替は落ち着いていたことなどから方向感のない始まりとなりました。クリスマス休暇入りと言うことで外国人の売買も減少するのではないかと思われましたが、本日も朝方伝えられる外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたことから、手仕舞い売りに押されながらも底堅い展開となりました。主力銘柄は持高調整の売り買いが中心で方向感はなく、出遅れ銘柄は買われるものの手仕舞い売りに押されるものも多く、指数は軟調となりました。

 後場は昼の時間帯に中国株式市場が違法な地価の吊り上げ行為の厳格な取り締まりに対する懸念や鉄鋼企業の利益率が芳しくないなどと伝わり、韓国や北朝鮮の問題もあって大きな下げとなったことが嫌気されて手仕舞い売りを急ぐ展開となり、一時大幅下落となりました。目先的な過熱感が強かったことに加え、ここのところ狭い範囲での動きとなっていたことで動いた方向に大きな動きとなり、売り材料に敏感な反応となったものと思います。

 小型銘柄は手掛かりに乏しい中で幕間つなぎ的に買われ、電子書籍関連やスマートフォン(高機能携帯電話)関連銘柄など比較的新しい材料、来年に期待されるされるような材料を取り上げて堅調なものが目立ちました。主力銘柄の大幅下落を尻目に手仕舞い売りや利益確定売りをこなしながら東証マザーズ指数も日経ジャスダック平均も堅調となりました。先物は後場になって指数に動きが出始めるとまとまった売り買いも散発的に見られましたが、大きく方向感を出すような売り買いはほとんどみられませんでした。

 下値を試しながらも抜けきれず、相変わらず先々週末の大きな陰線の中での動きが続いています。狭い範囲でのもみ合いとなっていただけに動いた方向に一斉に動き易かったのでしょうが、決定的な売り材料ということでもなく、最後まで売り切れなかったものと思います。中国の引き締め懸念も欧州の金融不安も、米国の規制強化などの動きもある程度織り込まれているものとして、決定的な材料とならず、節目を抜けるところまでは行かないということなのでしょう。米国個人消費が想像以上に好調とか、日本でもデフレが止まりそうだ、などと言うような決定的な材料が待たれるところと言うことなのでしょう。

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