さらに「132 5.」の造形を応用した照明器具のプロトタイプも展示されている。素材は、再生ポリエステルペーパー。構造体を持たずに折りだけで造形がつくられており、自立するように設計されている。「IN-EI ISSEY MIYAKE」と題したこのシリーズは、現在、国内メーカーとともに研究開発が進められている。
会場では、三谷純氏による立体折り紙作品「Spherical Origami(スフェリカル・オリガミ)」も展示されている。それぞれ丸みをおびた造形は、どこかオーガニックなフォルムを思わせる優雅な美しさ。WOWによる美しい映像作品とともに、その複雑な構造も解き明かされている。
ちなみに、三谷氏が現在新たに取り組んでいるのは、「すべて曲線だけで構成される立体物」だという。数学的ルールにのっとったプログラミングの力を借りて「誰も見たこともないような立体物を作りたい」と話す三谷氏は、アーティストのようでもある。
さらに、浅葉克己+松井孝典+鈴木薫による「われわれはどこから来て、どこに行くのか。」という展示も印象的だ。遠い宇宙から地球にやってきた隕石などの展示を眺めながら、長い宇宙の歴史に想いを馳せ、われわれの立ち位置を振り返るという壮大なビジョン。一見、ものづくりの現場と関係ないように感じられるテーマだが、われわれの営みは文明の発展と地球とともにあるわけで、限りある資源の中でどう生きて行くかを、マクロ視点で考えるのはとても大事なことだと気付かされる。
時空とジャンルを越えた数々の意欲的な作品が並ぶ本展。じっくりと時間をかけて、21世紀の文明について考えてみたい企画展だ。
21_21 DESIGN SIGHT 東京都港区赤坂9-7-6
03-3475-2121
開催中〜12月26日(日)
Open.11:00〜20:00(入場は19:30まで)
12月14日は休館、一般1000円
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