「高い美意識と審美眼を持ち、本物を知った30代男性」に向けたライフスタイルのクオリティアップを提案する、インターネットメディアです。アート、デザイン、インテリアといった知的男性の好奇心、美意識に訴えるテーマを中心に情報発信しています。2002年11月スタート。
※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。
現在、東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで、三宅一生氏ディレクションによる「REALITY LAB 再生・再創造」展が開催されている。タイトルの“REALITY LAB(リアリティ・ラボ)”は、デザインの仕事を「発想を現実化し、使い手のもとに届けるまでの積極的な試み」ととらえる三宅氏の考え方を端的に表している。
1970年代から一貫して衣服づくりにたずさわっている三宅氏だが、近年、コスト削減や経済状況の変化によって弱体化が著しい日本国内の製造現場を目の当たりにし、危機感を募らせている。手作業とともに高い技術が受け継がれてきたものづくりの現場が、これまで以上に存続が難しくなってきている日本の現状に目を向け、あらためてものづくりについて真摯(しんし)に捉え直す展覧会となっている。
展覧会の中核をなすのは、三宅一生+Reality Lab Project Teamによる「132 5. ISSEY MIYAKE」だ。これは、1枚の布に折り紙の「山折り・谷折り」の考え方を取り入れてつくられたもので、複雑な造形でありながら平たく畳むことができるようになっている衣服である。会場にはマネキンの足元に畳まれた状態のものを置き、着用スタイルとともに鑑賞することができるようになっているのだが、「この平たいものがどうやって洋服になるのだろう?」とかなり疑問に感じるかもしれない。
まるでマジックのように、折りたたまれた布から衣服が出現する不思議。その一部始終は、パスカル・ルラン氏による映像作品「SIMPLY UNFOLDED(シンプリィ・アンフォールデッド)」によって解き明かされる。5面のモニターに映し出されるのは、1枚の布がまるで花開くように立ち上がり、やがて1着の衣服となる過程だ。その造形の美しさと複雑さを緻密に再現した映像に、目を奪われる。
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